マット今井『トレーディングのつぼ』コラム

第318回 ”円高リスクはかなり軽減された” (2011/3/22)

先週のコラムで、震災の影響によって市場で円高傾向がはっきりしたときは、政府は円高阻止に向けて毅然たる態度を取るべきだと主張しました。また、先週のコラムでは少し言葉足らずであまり説明をしていませんでしたが、実は、ドル円の75円から80円のところには、オプション関連のトリガーが集中し、売りが売りを呼んでしまうような状況にありました。更に、個人投資家のストップロス(逆指値)もドル円だけではなく、その他のクロス円でもかなりありました。相場というのは、こういうものを一掃するような仕掛けが起きてしまうことがあります。しかし、そうした仕掛けも一時的で、それが終わるとそちらの方向、つまり今回のケースでは円高方向への力が徐々に弱くなってきます。 先週のコラムの2日後、つまり17日の木曜日にこうした動きが起きました。東京の早朝での出来事でした。特にこの時間は市場が薄いので仕掛けが起きやすいということは今後も頭に入れておきたいと思います。今回は、日本の損保や生保が保険の支払いのために外貨資産を売って円に換金するという噂を流し、一気に仕掛けたということが起きました。急激な円高は一瞬にして終わり、ほどなく半分以上を戻してしまいました。
丁度その日の自分のブログに、投機筋による「ストップ狩り」が一巡したので、円高リスクがかなり減ってきている。こういうときに円売り介入をすれば、非常に効果がでるという主張をしました。また、今の状況下では各国に協調介入を持ちかければ、各国も応じてくれる可能性が高いのでそれを模索するべきであるとも言いました。偶然にもその翌日協調介入が実施されました。そして円相場は一気に安定に向かっています。歴史は繰り返すと言いますが、かつて同じような動きは何度となく起きています。今回もまた同じ展開となったということす。過去の相場をよく研究しておくことが改めて重要だなと再認識させられる相場展開でした。
さて、ここからですが、一応円高リスク一掃の動きが終わったので、当面市場は落ち着くと思います。市場が安定しているところでは、政府もあまり積極的な動きは見せないでしょう。政府が各国に依頼して介入した目的はあくまでも市場の安定であって、円安に誘導するというものでは必ずしもないからです。現在の水準は震災が起きる前とそれほど変わっていないということを考えれば、ここから更に介入を実施するという大儀がなくなってしまいます。これはあくまでも私見ですが、仮にまた円高に向かうような展開があれば、そのとき対応するということになるのではないでしょうか。
また、外国人の投資家などは日本の機関投資家のリパトリエーション(海外資産の清算)が実際に起きるのかという点に注目しているようですが、これもすぐに起きるような様子ではありません。一方、ドル円では輸出企業が82円台から上に売り注文を並べています。これらの状況を考慮すると、円相場はまたこう着状態に入る可能性が高いという結論になります。

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