マット今井『トレーディングのつぼ』コラム

第314回 ”民主化運動の影響” (2011/2/22)

アルジェリアで始まった民主化の流れは周辺国に急激に波及しています。エジプトでは数十年続いたムバラク政権がとうとう崩壊しました。バーレーンなどの中東諸国にもこうした流れが伝播しています。そして今度はカダフィー氏が支配するリビアにおいて民主化運動が活発化してきました。リビアは原油が沢山産出される国の1つです。OPECのうち5-6%をリビアが占めます。この国で混乱が生じたことを受けて、原油価格が昨日急騰しました。ニューヨークでは前日比7ドル以上も原油価格が上昇しています。今後の動向には十分注意をする必要があります。

さて、ここでは金融市場に与える影響を考えてみましょう。まず、中東諸国はリビアだけではなく、原油産出国が沢山あるので、混乱が拡大すれば、益々原油価格が上昇する可能性があるということは考えておく必要があります。また地政学リスクという観点から考えると先進国では欧州が距離的にも近いこともあり、影響は最も大きくなってくるでしょう。ユーロには下落リスクがかかってくる可能性があります。

原油価格が上昇するということは、資源国通貨も上昇するという連想が単純には考えられますが、今のところそういう動きにはなっていません。むしろ豪ドルなどは下落傾向にあります。これは、中東情勢の混乱をきっかけにリスク回避の動きが起きているため、それまで投資マネーが集中していた豪ドルなどがとりあえず売られているということが原因となっていると思います。こうした投資マネーは世界経済が順調に拡大するという前提のもとに投資されてきたものですから、混乱の最初の段階ではリスク回避のポジション調整が先行するというのは当然の動きだといえるでしょう。為替相場全体では少し円高傾向が強くなるということを想定しておくことが必要かもしれません。状況がどう展開するのは不透明なので難しいのですが、混乱はすぐ収束するということは考えづらいので、当面はこうした動きが続くかもしれません。しかし、事態の先行きが見えてくれば、その先は一気に反転することも予想されるので、そのときは絶好の買いのチャンスとなってくるということです。しばらくは今後の情勢をよーく見極めたいと思います。株式市場も順調に伸びてきましたが、今回の混乱で少し下押しすることになると思います。ただ、やはりこちらも混乱が落ち着くと再び上昇する動きを見せる可能性がありますので、目先の動きに振り回されないよう、気をつけましょう。

すこし、飛躍して考えてみることにしましょう。まず、ありえない話ではありますが、もしこの中東発の民主化の流れが中国に波及して中国国内が混乱に陥るような事態になったときは、今までの前提がすべて崩れてしまうので、そのときはともかく頭を180度切り替える必要がでてきます。もしそんなことが起きてしまえば、金融市場は大混乱に陥ることは必至です。確率的には非常に低いことではありますが、世の中何が起きるかはわかりません。頭の片隅には残しておいたほうがよいのではないでしょうか。

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