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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第184回 ”ドル円と日経平均の相関” (2008/05/14)
最近、ドル円と日経株式が強い相関関係にあるという話をよく聞く。
ドル円がドル高円安になると日経平均が上がり、逆にドル安円高になると日経平均が下落するという関係である。株式市場の専門家は「円安になると輸出企業主導の日本経済にはプラスなので、株価も上昇し、逆に円高になると経済にはマイナス要因となるので、株価に下落圧力がかかる」という説明をする人がほとんどである。確かに一理あるが、それが本当の理由なのだろうか?今回はそれを考えてみたい。
まず、2007年初めから今年にかけてのドル円相場と日経平均を比べてみると確かに強い相関が見られる(下のグラフ参照)

確かに強い相関を見せているのだが、これが一時的な現象なのか、それとも過去からそういう動きを見せているのかを確かめる必要がある。そこで次に1990年からのドル円と日経平均の動きを見てみよう。
これを見ると、ドル円と日経平均の動きが現在のような相関関係になったのは2005年ぐらいからで、その前はそうした傾向をみてとることはできない。特に1997年から2003年ぐらいにかけては、今とは逆の相関をしていることがわかると思う。
つまり、ドル円がドル高円安になると日経平均は下落し、逆にドル円がドル安円高になると日経平均が上昇するという現在とはまったく逆の現象である。この時期も現在と同様日本の経済は輸出主導型であったので、もし、株の専門家が言っていることが正しいとすれば、この時期も同じ動きをしていなければおかしい。従って、この論拠はあまり説得力がない。

1つの説明としては以下のようなことが考えられる。
まず、テーマが日本に集中しているときは円相場と日経平均の関係は1997-2003年に起きたようなケースになることが多い。つまり、日本の景気がよいことに注目が集まると海外から日本の資金が流入しそれが円高を誘発する。また、外国人投資家の買いもあって、日経平均も上昇する。逆に日本の景気が悪くなると、資金が流出し、株式市場が下落するとともに円安となる。つまり、「日本買い、日本売り」現象である。
逆にアメリカに話題が集中すると逆のことが起きることが多い。現在、米国の株式市場が他の国の株式市場を引っ張る現象が起きている。そのため、米国株が上昇(或いは下落)と日経平均も上昇(或いは下落)するという相関がでてくる。米国株が上昇する(或いは下落)するときは、米国の経済が良い(或いは悪い)状況になるので、ドル高(或いはドル安)になる。また、米国株式が安定すると金利差取引が活発になるので、円安になり、逆になると円高になるという影響もある。
話をかなり単純化してしまったが、このほうが説明としてはすっきりするのではないだろうか。
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