マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー

第182回 ”価格の癖を利用する” (2008/04/30)

今週は、先週に続いて、市場の動きについて考えてみたい。

価格というのはランダム(不規則)に動くということもしばしばあるが、一方である程度動き方に癖のようなものが生じることもよくある。こうした癖はある程度普遍的なもののケースもあれば、時期によってパターンが変わってくる可変的なものもある。市場環境の変化が影響しているのであろう。いずれにしても、このような価格の動きに関する癖を探すということがテクニカル分析に繋がってくる。今回はこうした価格の性質の1例を取り上げてみることにする。

一般的に言って、価格というものはある一定期間の移動平均線に戻ろう戻ろう(回帰しよう)とする性格がある。価格と移動平均線の乖離率が大きければ大きいほど反発力が強くなるものである。これは移動平均線というのはある期間の平均のレートを繋げた線であるため、その価格から乖離するということは市場が興奮状態になってはしゃぎすぎるという現象にもたらされていることが多く、市場参加者の心理状態が冷静に戻ると価格は元の平均のレベルに回帰していくということが起きているのだと考えればいいのではないかと思う

それを前提として、今回は豪ドル円の日足チャートで考えてみたい。下のグラフの上段は豪ドル円の日足のロウソク足と25日の移動平均線を示している。下は25日の移動平均線と価格の乖離を示している。

これを凝視しているといくつかの傾向があることがわかってくる。 まず価格は移動平均から離れていく時期と移動平均線に寄っていく時期があり、これが繰り返し来ていることがわかる。テクニカル分析の基礎の基礎に「移動平均線が右肩上がりになっていて、かつ価格が移動平均線より上にあるときは上げトレンド、逆に移動平均線が右肩下がりで、かつ価格が移動平均線より下にあるときは下げトレンド」という説明があるが、そうした傾向もある程度は観測できる。

更に価格が上に乖離する場合と下に乖離する場合を見てみると、下に乖離しているときのほうが反転するまでに乖離率が大きくなっている傾向を見て取ることができる。上昇局面では乖離率が5%に近くなってくると相場が反転しているケースが多いが、下落局面のときは5-10%までと幅が広くなっており、平均すれば下落局面のときのほうが反転するまでの乖離率が大きくなるという傾向が見られる。

先週、豪ドル円が98円台半ばまで上昇したが、そのときも乖離率は5%程度にまで上昇しており、結局、一旦上昇トレンドが終わって、調整局面に入った。毎回こうしたパターンが当てはまるといったような単純なものではないにせよ、ある程度の傾向は確認しておくとよりトレードの精度が高まるのではないかと思う。

上海総合株式指数

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