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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第176回”確実性の高いことに掛ける”(2008/03/18)
先日、銀行のチーフディーラーの人達との会合があったが、ここ最近、かなりの利益を挙げているようで、みんな非常に明るかった。過去最高益の銀行もいくつかあると聞いている。といっても彼らは特別なことをしているわけではない。アメリカの景気が減速していくと見て、金利のディーラーは米国の金利低下に掛けるポジションを取り、為替ディーラーはひたすらドル売りを続けている。ただ、それだけのことである。今の市場環境はある意味、これほどわかりやすいものはないほどである。どの程度米国経済が落ち込んでいくかは人によって見方は分かれていたかもしれないが、米国経済が減速していきそうだということは誰の目から見ても、かなり確実であったからである。
一方、円相場はと見れば、現在円相場の動きを予測するのは非常に難しい。現在の円相場は、米国でサブプライムローン問題に関して、何か新たな問題が起きると米国株価が下落し、投資家がリスクを回避のために金利差取引の解消をしようとするとの連想から円高になる。逆に、サブプライムローン問題に関する対応策などがでてくると一時的にせよ株式市場が好感し、為替相場も円安に向かう。この繰り返しとなっている。今日はどんな話がでてくるのだろうかは誰にも予測ができない状態のため、新たに出てくる情報に振り回されて相場は乱高下してしまう。こういう節操のない相場は、相場にずっと張り付いて見ていない限り、儲けるのは非常に難しい。しかし、どんな解決策が出てきたとしても、景気そのものを直ぐに回復させるウルトラCは存在しないことは誰でも想像ができることである。円相場が荒れようと途中多少ゆり戻しは起きようと、中期的に見れば結局ドル安相場になってきている。
投資、或いはトレードというものは、予想は常に当たるということ神様でもない限りはまず有り得ない。しかし、市場は意味もなく動いているわけではないので、現状の相場展開の鍵を握っているところさけ正しく認識していれば、サイコロで偶数がでるか奇数が出るかを当てるよりは確率が高くなってくる。この5分5分の確率を少しでも6:4或いは7:3に持っていく努力をすることが投資で成功するための近道である。そのために最も重要なことは、現在の市場を動かしている要因を正しく認識しておくことである。
現在の市場環境は、米国における金融市場の混乱と米国経済の減速が中心になって動いていることは誰の目から見ても明らかである。そうでれば、市場の動きを予想するに当たっては、ドルを中心に考えるのが最も論理を整理しやすい。だからこういうときはドルを中心とした戦略を考えるのが王道である。
市場が落ち着いているときには、円の低金利に着目した金利差取引が主役となっている時期があった。このときは正に円が市場の中心にいたわけである。円を売って、後はどの通貨を買うかということを考えればうまくいく時期だったわけである。しかし、現在はその環境にない。
更に言えば、金利差を主体とした投資手法は、金融市場が混乱しているときは、非常に危険な投資手法になる。市場の変動率が高くなる、つまり市場の動きが激しくなるとそれまで安心して金利を稼いでいた人があぶりだされて大混乱を起こす。昨日の東京市場などその典型である。市場が不安定なときは、金利差を主体とした取引は本当に危険である。先週も同様の話をしたと思うが、ともかく環境を考えた投資戦略をすることが、FXで長期間に渡って成功する一番の近道だと思う。
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