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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第166回 ”行く年来る年” (2008/01/08)
皆様新年明けましておめでとうございます。本年も宜しく御願いいたします。
2008年に迎えるに当たり今回は2007年を振返り、2008年のテーマを考えてみたい。
<2007年の3つの流れ>
@2007年は何といってもサブプライムローン問題が主役となった。この問題は2002年以降世界の金融市場が安定していたことで、投資家のリスク感覚が麻痺してしまったことのつけが2007年に一気に飛び出してしまったということである。この問題が起きたことで金融市場の変動率(ボラティリティ)が大幅に上昇した。そのため、それまでの金利差主体の戦略がうまくいかなくなってしまった年であった。
Aまた、米国経済に対する懸念が広がる一方で、ユーロ圏などの景気状況は堅調であったためドルの劣勢が鮮明となりドル安が進行した一年であった。
B中国、インドなど新興国の急成長が続き、資源・エネルギーなどの需給バランスが崩れ、商品相場全体が高騰した。そのため、非資源国から資源国への資金移動(富の移転)が発生した。
<2008年の3つのテーマ>
@ サブプライムローン問題がいつまで尾を引くか?
各金融機関は依然としてかなりの金額のサブプライム関連商品を保有したままの状態にある。現状では金融機関全体での損失は多くても40-50兆円程度と見られているが、今後その損失が拡大する可能性もある。損失がいくらぐらいで収まるかがはっきりすればこの混乱は収まるが、それが一体いつなのかがポイントとなる。
A 米国の経済がどの程度減速していくか?
住宅市場の低迷で米国経済の減速リスクが高まっている。不動産、住宅関連市場の低迷、と金融業界の打撃などにより雇用環境がどの程度悪化してくるかがポイントとなってくる。雇用環境が悪化してくれば、消費が低迷し、景気が更に悪化する。また、信用市場が縮小すれば、お金を借りて物を買うというアメリカ人特有の生活行動にも影響がでてくるかもしれない。
B 米国大統領選挙
今年11月4日に米国の大統領選挙が行われる。今回の選挙で何が争点になるかで為替相場に影響がでるかでないかが決まってくる。影響がでるのは今後景気の減速が鮮明となり雇用環境が悪化し、雇用問題が選挙の争点となってくるケースである。この場合現在の中国、日本などアジア諸国に対する貿易赤字が注目され、円に対しても円高圧力がかかってくる可能性もでてくる。
C 日本の金融政策
2007年日本の金利が低水準のまま推移した。一番の要因は国内物価が上昇しなかったことにある。しかし、年末にかけて、原油価格の上昇などの影響がいよいよ消費者物価指数に現れ始めた。全国消費者物価指数(除く生鮮品)の動向を見ると2007年4月から9月にかけて、前年同月比-0.1%という状態が続いていたが、10月+0.1%、11月+0.4%と急上昇を始めている。今後、消費者物価指数の上昇基調が鮮明になってくれば、日銀はいよいよ継続的な金利の引き上げを選択するときがくる。そうなれば、円の低金利を背景とした円安トレンドが終焉を迎える可能性が高まる。
D 中国の景気動向
中国経済に懸念材料がでてきた。インフレの加速である。直近の消費者物価指数は前年同月比で+6.9%と急上昇している。今後中国当局はインフレ抑制のため、金融引締めを更に強化し、人民元の上昇も容認するという戦略をとってくるであろう。そうなれば、当然景気拡大のスピードは落ちる。中国の成長のスピードが減速すると商品市場が大きく崩れる。資源国通貨にはかなり大きな売り圧力がかかってくるかもしれない。
E その他諸国の景気動向
米国経済の減速傾向が他の国にどの程度の影響を与えるかも注目である。世界最大の消費国である米国経済の減速が世界経済全体に影響を与えない筈はない。この影響を中国インドなど新興国の急成長がどの程度カバーできるかが注目である。もし他の国の経済も減速傾向に入ると、対円、対米ドルでの下落が起きるであろう。
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