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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第162回 ”自分の資産を大切に” (2007/12/04)
今年FX業者の不正、破綻などがいくつか発覚した。こうした事態を重く見た金融庁は現在各業者への立ち 入り検査を強化している。今後、まだ破綻・処分等が発生する可能性は非常に高い。
2005年にFX取り扱い業者が金融庁に登録制になり、この業界の位置づけもある程度上がった。しかし、こ れもただ金融庁が一定の基準を満たした業者に登録を認めたというだけで、それを持って安全ということで は全くない。どうも日本人はお上が認めているものは安全という認識を今でも持っている傾向が強いと思う
2005年年末に駆け込みのように登録を認め、その後立ち入り検査が遅れてしまっている金融庁にも責任 があると個人的には思うが、そんなことを言っていても仕方がない。自分のお金は自分で守るしかない。業 者選定は自分でよく考えなければいけない。そこで今回はどういう業者を選べばいいのであろうかを少し考 えてみたい。
登録要件で、特に重要なのは、顧客財産の分別管理と業者の自己資本比率、そして不招請勧誘の禁止 である。不招請勧誘に関しては、商品先物の世界などで強引な勧誘が昔から問題となってきており、こうし た業界から流れてきている業者の一部が依然として強引な勧誘を投資家に行っているという事実があった ので、ここでそうした悪徳業者を一掃しようという意図がある。
しかし、この不招請勧誘は業者側にはあまりにも厳しい。現在「ドル円が上がりそうですよ」といったアドバ イスすら顧客にできないほどに厳格になっている。正直これでは、業者側も商売にならない。日本という国 は規制を作るとやりすぎてしまう傾向がある。悪徳業者が一掃された後はこの規制は緩和されていくので あろうと期待する。
投資家から預かった証拠金は業者の運営資金と分別管理することが求められている。また、各業者は顧 客の資金を流用しないでも営業がしっかり行っていけるように自己資本の充実を求められている。
業者が分別管理をしっかり行っていると言っていても、それはただ業者が勝手に言っているだけかもしれず 実態は外部からはわからない。単純に信用してはいけない。しかし、ある程度安全なところを選ぶ方法は ある。
まず、情報開示である。現在の世の中は情報開示がどの世界でも求められている。企業ばかりではなく、 公共団体、政治の世界すべての分野で透明性が求められている。FX業者も同様で、まずは財務情報など の経営情報をしっかり開示している会社を選びたいところである。開示情報が真っ赤な嘘ということになれ ば、後々刑事告発される可能性が高くなってくるので、すねに傷の或る業者は開示情報を出したがりたがらない。
また、分別管理に信託保全のスキームがしっかり活用されているかも重要なポイントである。できれば、や はり100%信託保全をしている業者を選びたい。信託銀行に預けた資金は信託法により、例え業者が倒産 しても資金は保護される流用されることはない。
業者は顧客のカバー取引を銀行などと行うに当たって、銀行に預託金を預けなければいけないことが多 い。また、当然企業であるので、運転資金等も必要になってくる。資金力のある業者は顧客から預かった 資金を100%信託銀行に預けて、自己資金を活用してカバー銀行に預託したり、運転資金を確保したりし ている。そのため、顧客から預かった資金は信託財産として100%保護された状態となっている。
ところが資金力のあまりない業者は顧客から預かった資金を銀行に預託する資金に回したりしている可能 性があり、そのため100%信託保全がなされていないケースがある。こうした業者がすべて危険というわけ ではないとは思うが、顧客からの預託金が100%信託財産として保護されてはいないという点は事実であ る。従ってその業者に何かあったときに顧客から預託金が全額は返還されない可能性はある。
投資でお金を儲けることは非常に重要であるが、それ以前に預けたお金が安全かどうかはとても重要であ る。単に手数料が安いとかいう理由だけで業者を選ぶと後で後悔することも起き得なくない。業者選定にあ たって、安全性は非常に重要なポイントである。
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