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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第159回 ”スワップ稼ぎの手法からの脱却” (2007/11/13)
ここのところ市場がまた大きく荒れてきた。原因は言うまでもなくサブプライムローン問題の再燃である。サブプライムローン担保証券を購入した金融機関や投資家の多くはこうした証券を依然として保有しているために、損失が更に拡大している。そして、今後もまだ損失が膨らむ可能性がある。これがこの問題を深刻化させている。
さて、こうした市場環境になると、為替市場も乱高下をするようになる。乱高下をする相場では金利差を狙ってスワップを稼ぐという戦略は非常に危険となってくる。為替変動リスクが高すぎるからである。こういう市場環境では戦略を変える必要がある。
元々日本の個人投資家にFXというものが広がった背景には長引く日本の低金利があった。金利も低く、株価も回復していない状態で日本の個人マネーが行き場を失っていたがために、他の国が非常に魅力的に見えたからである。円を売って高金利通貨を買えば毎日スワップという金利が入ってくる。ばら色のような投資手法に見えた人も沢山いたに違いない。また、こうしたブームによって円安が進行したこともあって、スワップも取れる、円安でも儲かるという状況が長く続いた。1年で何億も儲ける個人投資家も沢山でてきている。
しかし、円安が永遠に続くということはない。過去の歴史を見ても、円安になるとその後円高になり、また円安相場がやってくるというサイクルを繰り返している。いつかは円高相場がやってくるわけであるから、現在のように円高になるたびに巷で悲鳴が聞こえ、円安になると歓喜が挙がるというパターンもそろそろ卒業する時期にきているのではないだろうか?
株の取引の場合、株を買うかどうかという選択になるので、一般的にはどの銘柄を買おうかという手法になる。もちろん信用取引を使えば、空売りもできるかもしれないが、所詮空売りである。
しかし、FXの場合は違う。為替レートとは2つの通貨の交換レートであるので、売買をした場合、常に1つの通貨を買う一方もう1つの通貨を売るということがセットになっている。つまり、FXには空売りという概念はない。例えば、ドル円で考えてみると、ドル円を買う場合はドルを買って円を売るわけであるが、ドル円を売る場合は円を買ってドルを売るのである。私たちは円で証拠金を置いてFXをやっているので、ドル円を買うことは手持ちの円を売って、ドルを買うという印象を受けてしまうが、預託した証拠金は所詮担保でしかないので、これは正しくない。円を売ることも円を買うことも行為としては何も変わらない。
円の金利が低いことでブームになったFX取引であるため、自国通貨でしかも低い金利の円を売って高い金利の通貨を買う手法から抜け出すことはかなり難しいかもしれない。しかし、長期間に渡って継続的に利益を上げようとすれば、円高相場の中でも儲けることができるようにならなければならない。
ドル円ではそうではないが全体的に見ると円安相場はもう7年ぐらい続いている。時間のサイクルから考えるとそろそろ円高相場に転換してもおかしくない時期に来ている。今年、円安・円高を繰り返しているのは、こうした転換を予兆しているのかもしれない。それはもう少し時間が経ってみないとわからないが、来年、再来年に大幅な円高相場がやってくる可能性はかなり高い。個人投資家もこうした相場に備えて進化しておかなければならない。
株式の市場では株式が下落してくると投資家も突然元気をなくす。しかし、FXの世界では、必ずいつでも強くなる通貨と弱くなる通貨が存在する。通貨は何も円だけではない。世界に視野を広げて、どの国が買いか、どの国が売りかをよく考えてみるとより幅が広がってくるのではないかと思う。
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