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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第158回 ”プロゴルフに見る勝利へのステップ” (2007/11/06)
先週、女子プロゴルフのアメリカツアーであるミズノクラシックが開催され、日本の上田桃子選手が見事優勝を飾った。上田選手は昨年のこの大会、途中まで首位をキープしていながら最終日に崩れてしまい優勝を逃した。また、今年のツアー後半でも、最終日にスコアを崩して優勝を逃す試合が何度か続いた。今回の大会は借りを返したいという意気込みと今度もかという不安の中のスタートであったと思う。
初日のプレーはそうした気負いを不安が表れてしまい、スコアを崩した。しかし、翌日からうまく立て直し見事に優勝したのである。上田選手はインタビューの中で、岡本綾子さんから「もっと自分のペースでゆっくりとプレイをしたほうがいいよ」というアドバイスをもらってから、調子が戻ってきたという話をしていた。多少のお世辞は入っているかもしれないが、そこには非常に重要なヒントが隠されていると私は感じた。
丁度、この話をテレビで解説者が紹介しているとき、ゴルフの帝王ジャックニクラウスが「ゴルフで一番大切なことは1番のティーショットから18番のパターまでずっと同じペースでプレイをすることである」とかつて述べていたことを引き合いに出していた。かつてこのトレーディングのつぼシリーズの中で、トレードには平常心が非常に重要であるという話をしたことがあると思うが、まさに、勝負事というものはどんなものでも共通しているなと痛感した。
岡本さんのアドバイスの効果もあってか、上田選手は勝ちを意識する余り焦りが出て自分のプレイが段々早くなっていたと自ら気がついた。その後は、できるだけ普段通りのペースでプレイを心がけたことが勝利に繋がったと話をしていた。
トレードでも、早く儲けたいという気持ちが出るとどうしても焦りから無茶なことをしてしまい、大きな損失を出してしまうことはよくある。私自身もこうしたことを何度となく経験した。(今でも時々やってしまう)しかし、普段やっていないような冒険をすると殆どのケースはうまく行かない。やはり、背伸びをすることなく普段通り辛抱強くやることがとても重要なのである。
ゴルフでも、クラブ選びをするときに、ついつい自分の実力以上のクラブ選択をしてしまって大失敗してしまうケースがよくある。「ああ、やっぱり安全策で行っておけばよかった」と思っても後の祭りである。これも先ほどのトレードのケースとよく似ている。自分の身の丈を知った戦略がとても大切なのである。
また逆に、スコアが良かったりしたときに、後残りのホールをいくつで回れば、自己ベストだな」となどと考え始めると、そこから急に意識して緊張してしまい、逆に大たたきして自滅するということもよくある。トレードでも「いくら儲かった」「後いくら儲ければ○○になる」といったような金勘定を始めると、損をしたくないあまり、トレードが縮んでしまい、やれば損する、またやれば損するという悪循環に陥ってしまうことも本当に多い。こうした焦りや欲望は人間の性であり、なかなか直るものではない。しかし、それをうまく克服できたものが、どんな世界でも成功者になれるのではないだろうか。
本当の敵は自分自身の中にある。
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