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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第155回 ”スピード調整” (2007/10/16)
般的に為替市場の予想をするのは非常に難しいといわれているが、それはある意味正しいが、ある意味では正しくない。まず、為替相場は短期的には非常に不合理に動くので、これを予想するのはなかなか困難である。しかし、ある程度の期間になれば、そこには流れというものが出来る。いわゆるトレンドと呼ばれるものであるが、トレンドが形成されるときは必ずその場合そこにはテーマが必ず存在するものである。為替相場の過去を振り返ってみると、そのときどういうテーマで動いていたかを説明できる。後づけといえばそれまでのことであるが、流れにしっかりとした理由が存在しているのは間違いない。問題は現時点でのテーマを正確に把握して、それに対する正しい見方ができるかどうかということが難しいという点なのであろう。
トレンドが形成される初期段階では、ごく一部の人間しかそのトレンドに気がつかない。しかし、トレンドとそれを形成するテーマは徐々に顕在化する。そして、ある時期に入ると誰の眼にも明らかなトレンドとテーマが見え出す。しかし、危険なのは、こうやってはっきりすればするほど、安易なポジション形成が起きるようになる。いわゆる「ブーム」というものである。誰もがこれは上がるという確信を持つようになると、そのときには殆どの人が既に買ってしまっているという状態になることはよく起きる。こうした状態では、その原因となる要因は変わっていないものの(つまり状況から考えるとまだ上げ相場でもあるにも関わらず)相場はそれ以上上がらなくなる。俗にOVERSHOOT(買われ過ぎ)という状態である。
つまり、トレンドを形成するときは黎明期、成長期、過熱期というものは順番にやってくる。そして、この過熱期に差し掛かると相場の流れは止まってしまう。これは長期の場合でもそうであるし、短期的な流れにも同様の傾向は出る。
相場が過熱期に入っているかを見るには、いくつかの方向が考えられる。1つ目は動態分析である。BOOM或いはOVERSHOOTが起きているときは、巷でいろいろな兆候が現れる。投資の世界でいれば、それまでやっていなかったような人まで参加してきたような現象が起きたら要注意であろう。また、マネー専門誌でもないようなところまで特集を組み始めたら危険信号かもしれない。マスコミというものは一般的に時代に後れがちである。大衆の動きとマスコミの動向は実は連動しているのかもしれない。
2点目は、ポジション動向である。為替市場の場合、相対市場のため建て玉というものが正確に把握できない。しかし、上場している商品などであれば、建て玉の動向はわかる。為替の場合にIMMのポジションがよく取り上げられるのはそのせいである。こうした取引所取引などでも投資家の持ち高の傾きも過熱感を察知するには重要である。
最後に、スピードという観点も重要である。それまでの値動きに比べてかなり急激な変化が起きた場合、その原因となったものが特殊なものでない限り、相場が過熱期に入っている可能性が高い。それぞれの市場で勢いが違うので、どれぐらいのスピードが過熱かと簡単に判断するのは困難であるが、ある1つの市場に特定してみるとある程度パターンが存在するものである。
為替市場では、通貨によっても違うが、1ヶ月に5−10%程度の変化が起きるとその後調整が起きる確率は高くなってくるような気がする。過去のチャートをよく見て、それぞれの通貨の値動きのパターンを知っておけば、スピード調整の可能性もある程度は察知できるのではないだろうか?
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