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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第138回 ”追加通貨について” (2007/06/19)
今週より、外為どっとコムに新しい通貨ペアが追加されたので、今回はそれぞれの通貨ペアについての簡単な解説をしたい。
◆南アフリカランド円
南アフリカランドは政策金利が9.5%にもなっている高金利通貨であるため、個人投資家の人気が高い通貨となっている。確かに、この通貨は金利が高く魅力的ではある。しかし、金利が高いからといって通貨が強くなると考えるのはちょっと早計である。最大の問題はこの国のインフレ率の高さにある。先進国のインフレ率は高いところでもせいぜい3%程度、しかし、南アフリカのインフレ率は7%もある。一般的に機関投資家はインフレ率が異常に高い通貨への投資は敬遠する傾向がある。実際、ランド円は昨年の前半は19円台にあったのが、6月18日現在では17円台である。他の通貨では直近最高値を連日更新しているのに比べて、この通貨は取り残されている状態である。ここにインフレ率の高い通貨への警戒心がにじみ出ている。高金利を享受するために、長期的に保有するということは作戦としては面白いとは思うが、金利が高いからといって、上昇していくと単純に考えないほうがよい。
南アフリカはダイヤモンドや金の産出国として有名である。そのため、金価格とランドの為替レートには密接な関連があるといわれている。過去の推移を比べてみると、確かに昨年の夏以降は2つの相関性がかなりあることが確認できる。しかし、更に過去の遡ると全く相関が見られない。従って、今の2つの相関は一時的な現象であると考えられるので必ずしもいつもそうだとは思わないようがいいようだ。
◆香港ドル円
香港ドルは米ドルとのペッグ制という仕組みを採用している。ドルペッグというのは、米ドルとある程度の範囲内で香港ドルレートを管理する制度のことで現在1US$=7.75-7.85HK$の間で推移するように管理するという仕組みになっている。この範囲をどちらかに抜けそうになると、それを防止するために金利を操作したり、為替市場で為替介入を実施したりする。この範囲内で多少変動するものの、大まかにいえば、米ドルと香港ドルは同じように動くということであり、米ドル円と香港ドルでは為替リスクはほぼ同じであるということになる。そこで、金利を見ると米ドルのほうが1%程度香港ドルより高い。となれば、円売り方向でやるには米ドルのほうが香港ドルよりスワップポイントが沢山入るので有利であり、逆円買いをするのであれば、香港ドルでやったほうがいいということになる。よく、人民元が強くなると香港ドルも強くなると考えている人がいるようであるが、これは間違いである。
◆ポンドドル・ドルスイス
ポンドドルは建値がポンド建てになっていて、ユーロなどと同様である。つまり、ドルが下落するとポンドドルは上昇するという関係となる。一方、ドルスイスはその逆で、ドルが下落するとドルスイスは下落するという関係となる。これは米ドル円と同じである。さて、ポンドドルは建値の絶対値が大きいため、ポイント数で考えると他の通貨よりよく動くような気がする。しかし、為替の変動はあくまでも変化率であるので、そこを誤解しないようにする必要がある(これはポンド円でも同様である)かつて、米ドル相場が変動したときにはドルスイスが一番大きく変動するため、先行通貨と考える人もいた。しかし、最近は、比較的動きが安定してきている。これは、ここ2-3年、ドル安傾向にあった一方、スイスフランは金利が円に次いで低いため、売り通貨になりやすいことによるスイスフラン安がぶつかってしまってあまり動かない、米ドル円と同じような状況にあったからだと思う。ドルスイスを買うとドル円ほどではないものの、スワップが入ってくるので、ドル上昇局面では個人投資家が好んで使う可能性のある通貨ペアであるかもしれない。
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