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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第130回 “オセアニアの環境はむしろ改善” (2007/04/24)
先日、ニュージーランドの2007年第1四半期の消費者物価指数が発表になった。結果は前年比で+2.5%と前期の+2.7%から0.2%低下した。また、本日発表されたオーストラリアの消費者物価指数が年率で+2.4%とこれもその前の期の+3.3%から大きく下落している。オセアニア両国の中央銀行はインフレターゲット制を採用している。いずれも消費者物価指数の目標を1-3%に定めて、その範囲内に物価が収まるように金融政策の運営を行うというのが基本方針である。今回の両国の消費者物価指数を見ると、前期比ベースで確実に低下し、かつ目標の範囲内に収まり始めている。こうした傾向がでてくると中央銀行にとってインフレ抑制の為の利上げの必要性が徐々に薄れてくる。
最近の為替相場は文字通り「金利差相場」となっており、金利が上昇しないという観測がでると通貨は売られる傾向にある。しかし、中期的に見れば、こうした反応は果たして正しいのか疑問を感じざるを得ない。 各国の中央銀行は物価が上昇してくると、インフレ抑制のために金利を引き上げる。しかし、金利の引き上げは将来の景気後退を招く可能性があり、決してその通貨にとってもいいことばかりではない。逆に、インフレ率が低下して、金利の引き上げをする必要がなくなった場合、金利が当面据置かれることによって、景気に対してはプラスの効果がでてくる。そうなると安定したインフレの中での好景気という、最も健全な経済状態が続く可能性が高くなってくる。つまり、景気拡大が長続きするという効果がでてくるのである。
今回のオセアニア地域のインフレ率の低下が景気後退による需要の低下が原因となっているのであれば、通貨にとってはマイナスの影響がでてくるであろう。しかし、現在オセアニア諸国はむしろ景気が回復基調にある。こうした中でのインフレ率の低下は長期的には通貨にとって買い材料ともいえなくはないのである。 もちろん、現在は金利差相場の色が強いため、利上げ期待が後退すると一時的に通貨が下落するという傾向がでてくるのは仕方がない。しかし、より長期的に考えれば、低インフレ、好景気という状態は、投資には最適な環境といえるのではないだろうか。 ただでさえ、オセアニア通貨は相対的に金利水準が高い。この金利水準で、景気の拡大が維持できるのであれば、投資家にとっては、願ってもない投資対象であるであろう。
よく、金利が高いからといって、その通貨に投資をしたがる傾向が最近よく見受けられるが、実はそんなに短絡的なものではない。その国の経済状態が健全であることにより金利が高いのであれば問題はない。しかし、財政状態が極端に悪く、慢性的な資金不足に悩まされているような国の金利はどうしても高くなる。そういう通貨は例え金利が高いといっても、安全性が低いわけであるから、一般的に投資家は敬遠するものである。従って、どういう経済状態にあっての高金利なのかをよく知っておく必要があるであろう。
短期的に相場は期待で動くため、どうしても金利が上がると通貨は強くなり、金利が下がると通貨が弱くなるという傾向がでてくる。しかし、より長期的な面で考えたときは、健全な経済状態が続きそうな国への投資を考えるのが本道ではないだろうか。
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