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マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー
第124回 “新たなる投機筋現る” (2007/03/13)
為替取引をする方の中には、よくアジア系中央銀行の買いとか売りで相場が動いたという類の話をよく耳にする方も多いと思う。そこで今回はこうした動きについて少しお話をしてみたい。
日本の場合、中央銀行である日本銀行は、市場の安定を目的とした為替介入という形で市場で為替の売り買いをするケースはあるものの、それ以外の取引はまずやることはない。これは欧米など他の先進国の中央銀行も同様である。しかし、世界の他の地域に視野を広げてみると、投機目的などで為替市場において激しく、売り買いを繰り返す中央銀行もかなり多く見られる。
例えば、古くはマレーシア、やインドネシアの中央銀行がその代表格であったが、こうした中央銀行は今は鳴りを潜め、現在は中国、韓国、台湾、シンガポール、ロシア、それに中東諸国、中央東欧諸国の中央銀行がその代表格であるといわれている。彼らは、為替市場のビックプレーヤーとして、市場をしばしば操作しようとするケースもある。例えば、通貨オプションの防戦売りを言われる手口は中国系が得意とする手法であるとも言われている。真偽の程はわからないが、最近では、こうしたアジア系の中央銀行と大手ヘッジファンドがつるんで市場を動かしているという人もいる。
最近こうした中央銀行とは別に、いわゆる「ロシアネーム」といわれる人たちが東京、ロンドン、ニューヨークの各市場で巨額の取引をやっているというのが話題になっている。このロシアネームというのは、いくつかのロシアの民間の銀行である。彼らの取引は自己の取引によるものなのか、或いは背後にロシア中銀行がいるのかは定かではないが、いずれにしても巨額の取引で市場を撹乱しているのは事実のようである。通貨オプションを使った中国系の手口は市場をレンジ相場にしてしまうという影響を及ぼす。しかし、このロシア系の手口は、中国系と違って、為替市場で巨額の売り(或いは買い)を行うことにより、市場関係者の動揺を誘い、うまく市場が同じ方向に動いてくれた後に、頃合いを見計らって、カウンターで逆取引をして勝ち逃げするというやり方のようである。最近の東京市場でポンド円などの各円相場が乱高下していたのは、こうした取引もかなり影響をしていたようである。
こうしたヒットアンドアウェイ(Hit and Away)型の投機家は為替市場では過去何度となく現れ、しばらくすると消えていった。今回のロシア系もいずれそうなる運命ではないかと個人的には考える。しかし、まだ、本格的に市場に現れてきたばかりであるので、当面の間、為替市場での時代の寵児となる可能性は十分にある。何も材料にないときに大きく動いた場合などはこうした投機筋の仕掛けであることがこれからしばらく増えるであろう。これを頭に入れて相場を見ておけば、彼らの仕掛けに引っかからないように冷静に反対取引をすることがある程度できるはずである。
こうした投機家は言ってみればワンパターンである。従ってパターンさえわかってしまえば、どうということはない。もう少し手口を見ながら彼らの癖を探ってみることにする。
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