マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー

第121回 “相場の季節性” (2007/02/20)

いよいよ明日は日銀の政策決定会合です。私は個人的には利上げの確率は高いと考えていますが、まあそれも福井日銀総裁の腹一つということでしょうから、今回はこの話を横において、相場の季節性というお話を少ししたいと思います。

現在の為替相場は投資マネーによって形成されている部分が非常に大きいため、相場の変動は投資家の行動に影響を受けます。円相場に関して言えば、国内の投資家の行動を無視することはできません。個人投資家には季節的に特に区切りというものはないかもしれませんが、機関投資家と呼ばれる人達には、決算というものがついて回ります。通常、日本の金融機関の決算月は3月です。決算が近づくと機関投資家はその年の運用成績をある程度確定するために、投資している資産の一部を処分する傾向があります。外貨資産に関しても例外ではなく、一部を処分して円転(円買い)する動きが見られます。そのため、どうしても円高圧力がかかるということが考えられます。 そこで、過去の値動きを見て少し検証をしてみたいと思います。今回はユーロ円を例に取り上げて見ましょう。

ユーロ円は2000年の後半には80円台でしたが、それ以降6年以上もの間、(途中に上げ下げはあったものの)基本的には継続的な上昇トレンドを形成し、現在は160円にも近づこうというレベルにまで上昇してきました。つまり6年余りで約70円もユーロ高円安になってきたわけです。ということは、この間のどの時期を見ても上昇している確率のほうが高いということになります。

しかし、ここで或る時期だけを取り上げてみると、それと少し違った結果が見えてきます。下の表は、毎年2月、3月のユーロ円の始値、高値、安値、終値を示しています。2000年は年後半に反転して上昇し始めるまでは、下落基調であったため、2月から3月にかけて下落しているのも不思議ではありません。ところが、翌年2001年以降は基本的に上昇トレンドにあるにもかかわらず、2月、3月を見てみると、殆ど毎年もみ合いとなっているのがわかると思います。ちなみに2000年から2006年の2月の初日と3月末のユーロ円のレートの変化を平均してみると、2月初日の平均レートが123円94銭、3月末レートが123円35銭とほぼ同じレベル、むしろ若干ではありますがユーロ安円高になっていることがわかります。

この結果だけを持って、決め付けるのは正確ではないことはよくわかっています。しかし、長い上昇トレンドに入っているユーロ円が2月、3月に全く上昇していないという結果には或る程度の意味があると推論するのも決して極端な意見ではないでしょう。 今年の2月も円相場全般的に非常に上げ下げの激しい展開となっています。確かに今年の2月はG7あり、日銀の利上げ観測ありと材料が目白押しであったことも影響していると思います。しかし、例年2月、3月がもみ合い相場になっていることを見ると、ひょっとするとこの動きは季節的な部分もあるのではないかと考えてみることも必要ではないかと思います。こうした背景を考えながら相場を見ているとまた違うことがわかってくるかもしれません。

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