マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー

第119回 “イベント前の通貨オプション活用” (2007/02/06)

G7を前に通貨オプションの取引が活発化しています。そこで、今回はこういう重要なイベントに備えての簡単なオプションの活用法についてご紹介したいと思います。

まず、今日が2月1日で、ドル円の水準が121円だとします。ここで、9日後の2月10日にG7会議があって、ここで円安の問題について議論される可能性がでてきました。これに対して、通貨オプションを活用できないかを考えてみたいと思います。 
オプションの活用方法は沢山あり、例えばストラドル、ストラングルなどいろんな戦略が考えられますが、ここでは2つの単純な例をお話したいと思います。使うオプションはドルプット円コールの期間10日間(今から10日後にある為替レートでドル円を売ることができる権利)とドルコール円プットの期間10日間(今から10日後にある為替レートでドル円を買うことができる権利)です。
尚、例に出している、為替レートや手数料(プレミアム)は適当なものを使っていますので、実際のレートとはかけ離れていると思いますがご了承ください。

ここでは、G7に向けてのパターンとしては、大雑把にいって3つの動き方を考えます。
1.円安是正の合意がなされて会議終了後一気に円高の展開となる
2.何も合意されないで、会議終了後円安のトレンドに戻る
3.会議の前にいろいろな発言が出てきて相場が乱高下する

1.会議終了後の円高狙い
<基本戦略> G7で円安是正がされる確率は5分5分、ただ合意されれば、大きく円高になる可能性があるので、これを狙いたい。
<取引>120円のドルプットを買う。このオプションを買う手数料は50銭
<結果>
(1)G7で円安是正を合意がされて、期待通り大きな円高となり、ドル円も一気に115円まで下落。このとき、120円のドルプットを行使することで、120円でドル売りが発生する。これを市場実勢の115円でドル買い戻す。トレードの結果としては、(120円-115円)-手数料50銭=4円50銭 の利益となります。

(2)実際にG7で何も出ず、円高の展開とならず。この場合120円でドルを売る権利は価値がないので放棄。トレードの結果としては、最初に払った手数料50銭が損失です。

2.合意なしで円安狙い
<基本戦略>G7では何も合意されず円安になると思うが、できるだけリスクは避けたい
<取引>122円のドルコールを買う。このオプションを買う手数料は50銭
<結果>
(1)G7で円安是正を合意がされず、期待通り大きな円安となり、ドル円も一気に125円まで上昇。このとき、122円のドルコールを行使することで、122円でドル買いが発生する。これを市場実勢の125円でドル売り戻す。トレードの結果としては、(125円-122円)-手数料50銭=2円50銭 の利益となります。

(2)予想に反してG7で円安是正が合意され、急激に円高となる。円高での損失はうまく回避した。しかし、122円でドルを買う権利は価値がないので放棄することになり、最初に払った手数料50銭が損失となります。

3.会議前の乱高下で一儲け
<基本戦略>会議の前にいろんな発言に相場が何度も乱高下する。ここで儲けたい
<トレード>121円でドル円を売る権利(ドルプット円コール)を買う。手数料1円
<結果>
(1)予想通り相場が120-122円の間で乱高下
ドル円を121円で売る権利を持っているので、120円に下がったところでドル買い。その後121円を超えたところで、買っていた分を売りなおす。また121円より下に下がったら買って、それを上がったらまた売る。この取引で3円ほど儲かった。
トレードの結果 3円-手数料1円=2円の儲け。
*これはただのレンジトレードと同じじゃないかと思われるかもしれません。しかし、この場合、仮に120円50銭でドルを買った後にジリジリ下がり続けても、最後は121円のドルプットを行使して、121円でドルが売れるので、(121円-120円50銭)-手数料1円=▲50銭と損失を限定することができるというメリットがあります。

(2)相場が全然動かなかった。(或いは円安ジリジリ行ってしまった。)
  オプションを活用したトレードできず、オプションも価値がなくなってしまって、最初払った手数料1円だけ損失。

以上のような使い方が一番単純な活用方法です。
どうも今回はこの3のようなやり方を活用した取引が活発化しているようです。こういうときは相場が下がれば買いがでて、上がれば売りが出るということになるので、相場は上がったり下がったりしやすいという傾向になることがよくあります。
少しこうした特長を理解しておくと相場の動きがわかりやすくなると思います。

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