マット今井『トレーディングのつぼ』バックナンバー

第10回 海外の投資家(2)(2004/9/20)

マクロファンドは取扱高も大きく、相場に最も大きな影響を持つ人達ですが、それと同じぐらい大きな影響力を持っているのがモデルファンドです。

モデルファンドというのは、一般的にいうとシステムの売買サインなどに従って、売り買いをするファンドのことです。各国の経済指標などを指数化して、ファンダメンタルズの差などを計数化して、やっているケースもあるようですが、通常はテクニカル分析を使って、売買サインを出させるものが一般的です。分析の仕方にしても開発する人によって違うので数え切れないぐらいあります。自分で開発したシステムは他人に見せる筈がないので、世の中にどんなものがあるのかは正直わかりません。ただ、彼らがいつ買って、いつ売っているかは情報として入ってくるので、そこから想像すると大体2つのパターンに分かれると思います。

まず1つ目がトレンドフォロー型というもので、相場の大きな流れについていくやり方です。日本語だと順張り型といえばいいでしょう。例えば、相場のブレイクポイントをシステムが判断して、そのポイントを抜けると買いに回ったり、売りに回ったりします。或いは、相場の強さをなんらかのやり方で指数化して、その数値がいくらになったら強いと判断して売りや買いをするやり方もあります。中には、最初に買いサインが出たら買って、次の買いサインが出るとさらに買って、その後もサインが出る度に、どんどんポジションを積み増ししていくモデルもあるようです。トレードは流れに乗っているのが基本ですから、このタイプがモデルファンドの大半を占めると思います。


もう1つのタイプとしては、ちょっとへそ曲がりないわゆる逆張りタイプです。やり方としては、相場が買われ過ぎや売られ過ぎを狙って、反対のポジションを取るやり方です。こういうタイプはオシレーター系と呼ばれるテクニカル分析を使って分析していることが多いです。オシレーター系というと代表的なものでいうとRSIとかストキャクティクとか或いはMACDなどですね。詳しくはテクニカル分析の本を見てください。

以上の2つが基本になると思いますが、実際はいくつかの分析を複合して、売り買いのサインを出させているようです。例えば、相場の大きな流れを掴んでいくトレンドフォロー型の中には、オシレーター系の分析を混ぜて、ポジションを閉じるタイミングを決めているファンドもあるようです。モデルはMIT(マサーチューセッツ工科大学)のような数学の専門学校を出た天才たちが分析に分析を重ねて作り上げているもので、とても私のような凡人にはわかりません。しかし、見ていればどういう時に売りや買いに出てくるかがなんとなくわかるようになりますので、さほど怖がることはないと思っています。


また、モデルは期間によっても分かれています。例えば、長期的な相場の流れに向いているものや、短期売買に向いているものなどです。どういうやり方をしているか詳しくはわかりませんが、モデルファンドの中には、こうしたいろいろな種類のモデルを複数持っていて、相場状況に応じて使い分けているようです。長期ポジションにはトレンドフォロー型が有効ですし、逆に短期売買になればなるほど、逆張り型が力を発揮するので、モデルファンドの人達もそういう使い分けをしているんではないでしょうか。

最近、為替相場は膠着して、レンジ相場が続いていますね。こうなるといつか抜けるんじゃないかと思って、ついつい上値を買ったり、下を売ってしまったりしがちです。しかし、先週もいったようにヘッジファンドはそんな皆の期待を打ち砕きます。しばらくは熱くならずに、自分でレンジを決めて、逆張りに徹してみては如何ですか?いつか抜けたらそれについていけばいいんです。ただ、自分の想定していたレンジを抜けたら、すぐやめてくださいね。大怪我をするかもしれませんから。



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※外国為替保証金(証拠金)取引業界における「口座数」「預かり資産」の2部門。期間2009年3月までの5年間。
参考資料:(株)矢野経済研究所『2009年版 FX(外国為替証拠金取引)市場の動向と展望』