マット今井「トレーディングのつぼ」バックナンバー

第5回 投資家達はこう動く(2004/8/16)

さあ、これからいよいよメイン登場です。最も投機マネーが飛び交う証券投資について見ていきましょう。
世界中の投資家達は世界中の市場をいつもウォッチしていて、どこに投資したら儲かるか、虎視眈々と狙っています。投資家も大きく括れば、機関投資家と呼ばれる人達と個人投資家にわかれます、個人投資家は皆さんのような方達ですよね。自分のお金を人に任せないで自分で運用する人です。私も当然皆さんの仲間の一人です。一方機関投資家といわれるのは人のお金を預かって運用するプロ集団です。(プロの中にも2軍並みの人もいますが)こうした人達を紹介していく前に、一般的にいってそれぞれの登場人物がマーケットにどんな感じで参加してそれで市場がどう動くかを知りましょう。
相場の中は、麻雀などの対人ゲームと違って沢山の参加者が相集っているので、その人達の動きには群集心理がかなり働きます。それをまず理解する必要があります。非常に簡単に基本的なパターンにすると相場というのはこういう感じで形成されていきます。
第一段階(黎明期)〜まず、本当に一部のプロの投資家が一部の秘密情報や独自の分析などにより動いてポジションを仕込む。この時期、相場は仕込んだ方向には大きくは動かない。

第二段階(本格期)〜徐々に起きている現象に気が付いたプロの機関投資家と一部の個人投資家が次々と動き始める。この時期に、相場が本格的に動き始めて、トレンドが形成されていく。

第三段階(終焉期)〜大衆(多くの個人投資家や一部機関投資家)が動きだす。このとき仕込み時期にポジションを作ったプロは逆に刈り取りをしている。売り買いがぶつかり合うため最初は高値或いは安値圏で激しい乱高下をしばらくする。その後、第二段階から参加していた投資家が手仕舞を開始。トレンドは完全に崩れ、相場は本格的に反転していく。 残された大衆は反転のスピードの速さに呆然と見つめるだけで固まる。ようやく現実を受け入れロスカットをすると反転も終了して、ゲーム終了。「兵ものどもが夢の後」

どうしてこういうことが起きてしまうかというと、原因は乗り遅れてはいけないという恐怖観念にあります。1つの群集心理ですね。「あそこの××さん、ドル買っていて、数百万儲かったてよ?」なんて話をいくつも聞く。気になってチャートとか見ていくと、あまり戻しもなく上がり続けている。「みんなこんなに上がっているものを買っていたのか。俺も乗り遅れちゃ損するな。しかも、チャート見るとまだまだ上がるように見える。これはまだまだ上がるな、ひょっとしたら青天井かもしれないな」と思う。そう思うといてもたってもいられず、反対にいったらいくらで止めるかもろくに考えもしないで、市場に飛び込んでいく。逆に気の効いた人達はしめしめとばかり、いち抜けたをしていく。
ここからが更にややこしい。例えば第一段階でドルを買った人達は、第三段階でドルを売ろうと思ったとき、大衆が買いに向かっていくので、簡単に良い執行レートで止められます。気持ち良いですね。ところが、第三段階で入った人はそうはいかない。最初は乱高下するので、ちょっと反対方向に言っても、戻ってくるので、ほっとして様子を見る。その後市場が反転し始めると今度は流動性がなくなって、豪雨の後の川のように動きが加速する。こうなると、やめようと思ってもなかなかプライスに追いつけない。プライスが出ても、あまりの悪いレートに「そんなレート叩けるか」と固まって更に負ける、というパターンを繰り返す。悪循環です。相場は流動性の高いときに止めるのが鉄則です。

人はある現象が本格的に顕在化したとき、特にまわりに具体的な例を見せ付けられたときや、視覚に訴えるようなものがあって初めて動く傾向が強く、そこを本当のプロに利用されてしまうわけです。 例えばいい例が新聞報道です。日経新聞などの経済面は出来るだけ起きている現象を伝える記事が多く、今起きている流れを紹介してからそれでこの先どうなるの?という展開をしていきます。つまり、もう起きてしまったことを報道しているわけです。それを受けての専門家の今後の予想も、まだまだいくといったほうが受けがいいのでどうしても、バイアスが働いたコメントになりがち。 ですから特に新聞で大きく取り上げられたときは要注意です。流れが8合目以上に来ている兆候の可能性高い。私は個人的にこうしたシグナルは大変注意して見ています。「へそ曲がり世に憚る」です。

さて、今回はちょっと脱線してしまいました。脱線ついでに一言。一般の人は第一段階でうまく仕込みなんて芸当ははっきりいって無理です。それより、如何に第二段階の早い時期に入って、第三段階の乱高下のうちに抜けるかを目指すというのを基本戦術としたいところです。詳細については後日

「赤信号みんなで渡ったらみんな引かれちゃった」教訓ですよ。


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