マット今井『トレーディングのつぼ』コラム

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第241回 ”VIX指数VIX指数” (2009/6/30)

シカゴ・オプション取引所(CBOE)にボラティリティ・インデックス(VIX)という指数が上場されている。これは、簡単に言えば、米国株がどの程度不安定かどうかを示すものであると考えていただきたい。
 この指数、言ってみれば投資家の不安心理を反映しているというべきものである。つまり、指数が上昇すれば、投資家の不安心理が高まり、指数が下落すれば不安心理が後退してきたということができる。このVIXはアメリカの金融市場において「恐怖指数」と呼ばれているが、それは、株価が下落するときはほとんどのケースこのVIXが上昇しているからである。
 さて、ここのところこのVIX指数が徐々に下落してきている。昨日のVIX指数は25.35となり、昨年のリーマンショック以前の水準に戻ってきている。この指数から判断すれば、金融市場はリーマンショック以前の雰囲気に戻ってきているということになる。
 しかし、ここで考えておかなければいけないことは、VIX指数が元の水準に戻っている一方で株価の水準は元には戻っていないということである。
下のグラフを見ていただきたい。上のグラフは昨年8月からのVIX指数の推移、下のグラフはニューヨークダウ平均株価の動向である。VIX指数が昨年9月の水準に戻っている一方で、株価の水準は依然として低いということが見て取れる。
 これは、市場の不安心理は後退してきたものの、実体経済の回復はまだ本格化しておらず、それに伴う企業業績の回復もまだ先になるということを示しているのであろう。その一方、VIX指数が低下してきたことで、株価が今後急落するリスクも徐々に低下してきたということもできる(もちろん、不測の事態が発生して、VIX指数が再び急上昇し、株価も急落するということもありえなくはない)。
 現状のVIX指数の動向と足元の実体経済の状況を勘案すると、当面米国の株式市場は膠着状態に入っていく可能性が高いということが推測できる。
 為替市場で円安基調が本格化するためには、株価の本格的な上昇が必要条件となる。
(*そもそも株高→円安という連鎖にはあまり正当性はあるとは思えないが、現在投資家がそういう連想で投資活動をしてしまう以上、現状の相関を認めざるをえない)株価が今後膠着していくとすれば、円相場も当然方向感を失う。
 VIX指数と株式市場の関係を見ても、今後相場はレンジ入りする可能性が高いということとなるということだ。
 激しい混乱の後はこうした方向感のない相場となることは今までもよくあった。

<VIX指数>

<ニューヨークダウ平均株価>

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参考資料:矢野経済研究所『2008年版 外国為替証拠金取引の動向と展望』