マット今井『トレーディングのつぼ』コラム
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第261回 ”ギリシアの悲劇” (2010/02/09)
市場では相変わらず、ギリシアに対する不信感が広がっている。ギリシアの国債10年物では危険度を示すスプレッド(リスクプレミアム)が400ベーシスポイント以上に上昇している。簡単に言えば、ギリシア政府はお金を借りるときに、普通より4%以上も金利を余分に払う必要があるということだ。
みなさんが生活するに当たってお金を借りる必要ができたとしよう。その際、普通では3%ぐらいで借りることができるのに、実際は7%支払いをしなければいけないとなったという状況を考えていただきたい。そんな高い金利を払わされたら、とても家計がやりくりできなくなってしまう。今のギリシアはそういう状況にある。
ユーロを採用している国は、単年度の財政赤字をGDPの3%以内に抑えるという義務が課せられている。しかし、ギリシアは既に13%という基準をはるかに上回る水準にまで悪化してしまっている。
これに対して、ギリシア政府は財政再建計画を発表したが、いきなり試練が発生した。公務員の給与を凍結するという措置に対して、労働組合が大反発をし、ストライキが発生、その動きは更に拡大しようとしている。「ギリシアの悲劇」は今後も続きそうな様相を呈してきた。
一般的にいって、財政問題というのは、長期的な課題であり、短期間に簡単に解決するという類のものではないということを認識しておく必要がある。だから、このテーマに市場の関心が行くと、どうしても中期的、或いは場合によって長期的な影響を市場に与えてしまいやすい。ある程度影響を市場が消化すれば、沈静化することも考えられるが、好転するには相当の時間がかかるというのも、またこれ事実である。そう考えるとやはりユーロは今後、下落スピードは鈍化するかもしれないが、傾向は続く可能性が高いと考えておいたほうがよいかもしれない。一応、直近の下落が急激であったので、その反動があるかもしれないが、それも一時的に終わる公算が高いのではないだろうか。
さて、そこでもう1つ頭に入れておきたいことがある。それは、ユーロドルには少し季節的な特徴があることだ。1999年にユーロが誕生してから11年余りが経過しているが、1年の動きを見てみると、年間を通して一方方向に向かうことがこれまで比較的多かったという特徴がある。具体的にいえば、年間を通じて上昇傾向にあったのが5回、年間を通じて下落傾向にあったのが3回、もみ合いが1回、いって来いの展開が2回という結果である(大雑把にいってではあるが)。つまり11回のうち8回は年間を通じてトレンドが出来ていたということである。もちろん、今年はそうなるかという保証はないので、あくまでも過去の例を紹介しているだけである。しかし、相場には「1月効果」というものがあると一般的に言われている。1月にできた方向に年間のトレンドが向かいやすいという法則である。それに照らして考えると、今年はユーロにとって、下落傾向が続く可能性は一応頭に入れておきたいところである。
その傾向が続くとすれば、それはこのギリシア問題が更に他に波及するということが要因となっていくのであろう。
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