欧州情勢レポート

2012年6月29日更新

当面の欧州債務問題については、以下の点が軸になってくるでしょう。

  • ギリシャの支援条件の交渉
  • スペインの銀行への支援の詳細
  • ECBの金融政策の動向

ギリシャの支援条件の交渉

ギリシャはEU/IMFから支援第2弾を受けるために、2014年までに財政赤字の対GDP比を9.3%(2011年)から2.1%に引き下げることを約束しています。しかし、この実現に向けて同国議会で可決された緊縮財政策は、最低賃金の大幅引き下げや最大15万人の公務員削減などを含む大変厳しいもので、国民は反発。これは5月の総選挙で政権樹立に至らず、再選挙を余儀なくされる状態を引き起こしました。6月17日の再選挙でギリシャは旧与党連合+民主左派党で新たな連立政権を樹立することが出来ましたが、この緊縮策を緩和するためにEU/IMFと交渉することを余儀なくされています。同国新政府は財政赤字の目標達成期限の2年延長や、公務員削減計画の凍結、失業保険給付期間の延長などを求める見通しですが、ドイツは依然として当初の緊縮策の実行を求める姿勢を堅持しており、交渉は難航しそうです。

ドイツの姿勢が軟化すれば、一旦はギリシャの厳しい状態が緩和されるという安心感からユーロ買いの材料になると考えられる一方、ドイツの姿勢に変化がなく、交渉が進まなければ、再びギリシャの国民の不満が政府に向かい、再び同国の政情不安につながる可能性があります。

スペインの銀行への支援の詳細

スペイン政府はEUに対し、最大1000億ユーロの銀行支援を6月25日に正式に要請しました。ただ、この詳細について、デギンドス・スペイン経済相は「7月9日までに決定したい」としており、未だどのような形で支援を得るのか明らかになっていません。この支援の形式についての協議が難航するようだと、実際に支援が行われるのかどうかについて不安が広がり、ユーロの売り材料となってくる可能性があります。

ECBの金融政策の動向

ECBは6月22日に、資金供給オペの担保として受け入れる資産担保証券(ABS)の種類を拡大する等、スペインへの支援を念頭に置いた緩和措置を行いました、しかし目先、市場ではECBがさらなる緩和措置に踏み切るのでは、との期待感が根強いです。7月5日に行われるECBの金融政策発表時には、政策金利を現行の1%から引き下げるのではないか、との見方が強まっています。通常、利下げは通貨の売り材料ですが、今回については実行されれば欧州経済を下支える緩和措置として好感され、ユーロは上昇する可能性があります。

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