欧州情勢レポート

2012年9月26日更新

当面の欧州債務問題については、以下の点が軸になってくるでしょう。

  • スペインが欧州中銀に支援要請するかどうか
  • ギリシャの財政再建の進捗と、その後の支援ついて

スペインが欧州中銀に支援要請するかどうか

欧州中銀(ECB)は9月、量的緩和を伴わない、無制限の国債買い入れプログラム(OMT)を発表しました。ただ、これを実行するには、このプログラムを必要とする国が欧州安定メカニズム(ESM)に支援を要請する、というステップが必要となります。ただ、その場合、欧州連合(EU)による債務削減についての介入は避けられません。

9月14日に開催されたユーロ圏財務相会合では、デギンドス・スペイン財務相が9月28日までに政府による構造改革案を発表するとし、一旦は欧州諸国の支援を受けずに債務削減をする道を模索するという姿勢を明らかにしましたが、次第にこれは「支援を受けるためのプロセスを辿っているだけ」という見方が強まるなど、様々な観測が交錯しています。

どのような形で構造改革案発表するにしても、足元では「スペインが支援要請する可能性が強く意識されればユーロ高」、「支援要請するとの見方が後退するような材料があればユーロ安」という傾向が見られます。具体的に話がまとまるまで、ユーロは関連報道次第の神経質な値動きが続きそうです。

ギリシャの財政再建の進捗と、その後の支援ついて

10月8日に開催されるユーロ圏財務相会合に向けて、EU・ECB・国際通貨基金(IMF)の合同調査団(トロイカ調査団)はギリシャの債務状況に関する調査報告を行う見通しとなっています。しかし、この点については、報告延期の可能性が取り沙汰されており、不透明感が漂っています。一部報道では、米大統領選挙の行われる11月6日以降になるのでは、との見方もあります。

ギリシャは早ければ11月以降、遅くとも2013年には国庫資金が枯渇する可能性があると言われてますが、このトロイカ調査団の報告なしに支援が続行されることはありません。報告が後にずれこめばずれこむほど、ギリシャの債務不履行への懸念、ひいてはユーロ離脱懸念が強まることになりそうです。

トロイカ調査団の報告についての観測報道や、ユーロ圏諸国の支援に対する姿勢やその変化、また、ギリシャ政府が議会を通過させる必要がある財政赤字削減策の行方や、それらを総合した結論が「いつ出るか」などに関する報道は、ユーロ相場の大きな材料となる見通しです。