2011年のドル円相場と予想DI

外為どっとコム総合研究所が毎月公表している「外為短観」の目玉のひとつが予想DIだ。
1カ月後のドル高・円安を予想した回答割合からドル安・円高を予想した割合を引いた数値がドル円予想DIであり、DIがプラスならドル高・円安予想が優勢、マイナスならドル安・円高予想が優勢という事になる。

2011年のドル円相場のキーワードは「戦後最安値」と「介入」だろう。これらのキーワードに予想DIを絡めて1年を振り返ってみたい。

東日本大震災直後の3月17日に、ドル円相場が76.25円まで急落して当時の「戦後最安値」を更新した。調査期間にあたる3月18日にはG7協調円売り「介入」が実施され、相場は81.98円まで急騰したが、ドル高・円安予想にはつながらず、予想DIは-5.2に急低下した。

4月に入ると相場は今年最高値となる85.53円まで上昇し、予想DIもプラスを回復したが、その後、夏場にかけて米国のQE3導入観測や格下げ懸念を背景に相場が下落に転じると、予想DIも低下傾向を強め、8月調査では-27.2を記録。8月4日に実施された今年2回目の「介入」の効果が3営業日と持たず、8月調査期間中にはドル円相場が75.94円まで下落して再び「戦後最安値」を更新した事もFX投資家のドル安・円高予想につながったようだ。その後、10月31日の東京市場オープン前に、ドル円相場が「戦後最安値」を三たび更新(75.32円)した事を受けて本邦政府・日銀が推計8兆円程度の大規模「介入」を行うと、相場は79.53円まで急騰した。

しかし、11月調査では、予想DIは-34.0と過去最大のマイナス幅を記録してドル安・円高予想に大きく傾斜した。
こうして見ると、本邦政府・日銀による3回に渡る「介入」は、相場の押し上げ効果は乏しかったと言える。また、「介入」直後の予想DIが3回ともマイナスとなった事は、FX投資家が「介入」効果の持続性を疑い、その後の相場反落を見越していた事を意味している。特に、1度目の3月の「介入」が結果的に失敗に終わった事で、FX投資家は2度目、3度目の「介入」効果が短命に終わるとの見方を強めたと言えるだろう。