■ 2006年10月9日「勝っている時の心掛け」
9日 15時11分
先週の“独り言”で、“勝つタイプ”と“負けるタイプ”の話をした。
“負けるタイプ”の人がやることをやっていれば、“絶対に勝てないし”、勝つためには、“勝つタイプ”の人のやることを真似すればいいのである。
さて修行が実って、貴方も“勝つタイプ”の人に変身したとしよう。
さあ、どうやって勝ち続けようか?
勝ち続けるのは不可能だから、ある一定の期間で結果として勝てばいいのである。
その為には、きっちりと損切りをしなくてはいけないのだが、実は損切りは簡単である。
自分が設定した規律を守ってさえいれば、大負けをする筈が無い。

“アンタが言うとおり、損切りをキッチリしていると、損切りの嵐になっちゃった。それが溜まりに溜まって、大損をしたぜ!”と言う人がいるが、それはポジションを取るべきレベルを間違えているのである。のべつ幕なしにやっていると、往々にしてこうなる。
売るべきところをドタ観で買ってしまえば、直ぐ損切りの憂き目に会う。
買うべきところをドタ観で売ってしまえば、直ぐ損切りの憂き目に会う。
売るべきところで天才のように売って、あるいは買うべきところでキッチリ買うのは、難しい。
116−118.50のレンジで取引されている最中は、116.50で売ってはいけないし、118円で買ってはいけないのである。勿論、この綺麗なレンジは後から振り返ってみたらそうなっていた、と思うものであるから、実際にポジションを取ろうとしている時は、そんなこと分かりっこない!
損切りの嵐が続いたら、“ああ、自分はFXに向いていないんだ。”ときっぱり諦めるか、Overtrading=(取引のやり過ぎ)を一旦止めて、ようく相場を研究し直して御覧なさい。

さて、貴方はもう既に“勝つタイプ”。こんな悩みなど持ってはいない。どうやって利益を最大限にするかが、課題である。
損切りは簡単であると言ったが、利喰いは実に難しい。
謙虚に、“一取引当たりの損失を投入資本の3%に抑える。”と決めていて、利喰いも3%そこそこで行ってしまっては、余り儲かる筈は無い。
大体勝負の結果は五分五分。しょっちゅう3%損していて、勝つ時も3%では話にならない。

100万円投入して、レバレッジを2倍で取引しているとしよう。
116−118.50のレンジの時に、上手く116.50で買ったポジションがある。
よし、118.00に来たぜ!利喰うか、まだ待つか?今、ナンボ儲かっているんだ?
(118.00−116.50)×2万ドル=3万円。 おう、丁度3%儲かっているぞ!
“うーん、塾長が損切りと同率で利喰っていては、いつまで経っても儲からないと言っていたな。120円に行くと思って116.50で買ったんだから、もう少し待つか。”
で利喰わない。そして、相場は118.12をトップにして116.20に真っ逆さま!こんなことよくありません?

では、どうするか?
実は名案は無い。だって、今回は118.12で相場が反転して元の木阿弥になったけど、119.60まで行ったかも知れない、Who knows?=(誰も知らない。)
今回は、“絵に描いた餅”になってしまったけど、もし118円で売って119.60まで行ってしまったら、大魚を逃したことになるではないか。
逆にちょこまかやっていたら、いつまで経っても大相場が取れないではないか?
うーん、悩ましいですな。多くの皆さんには、“羨ましいような贅沢な悩み”でしょうね。

これはどうですか?
118.00で全部利喰わないで、半分だけ利喰うのである。
−自分がドル・ブルでやはり120.00まで行くと思っている。でも、相場は相場。利喰い千人力。一旦、利益の確定もしたいものだ。但し、半分だけ。

1)取り敢えず1万ドル売って、残りは温存し虎の子とする。ドル・ブルであるから当然またドルのDip.=(下げ)があればそれを買い戻したい。利喰った近くのレベルでは買い戻さない。直ぐ買い戻すくらいなら、最初から売らなければいい。
117.00で買い戻す。自分の相場観通り再び118.00に戻る。
そして、いずれは120円に行って、万々歳。

2)利喰った後Dips.が全然無く、ジワジワドルが上がる。しまった!半分とはいえ、利喰わなければ良かった。
118.50で買い戻す。118.00で売った後なので、もの凄い抵抗感がある筈である。再び、2万ドルのロング。
そして、思惑通り120円に行って万々歳。
ポジションと損益(P/L)の推移。
      レート     ポジション P/L
1) 116.50  +2万ドル   0

    118.00  +1万ドル +1万5千円+(未実現益1万5千円=(118.00−116.50)×1万ドル)=3万円

    117.00  +2万ドル +1万5千円+(未実現益5千円=(117.00−116.50)×1万ドル)=2万円

    118.00  +2万ドル +1万5千円+(未実現益2万5千円=(118.00−116.50)×1万ドル+(118.00−117.00)×1万ドル)=4万円

    120.00  +2万ドル +1万5千円+(未実現益6万5千円=(120.00−116.50)×1万ドル+(120.00−117.00)×1万ドル)=8万円

  まあ、こら辺で総て利喰ってハワイにでも遊びに行きなさい。8万円ではハワイには行けないか。

2) 116.50  +2万ドル   0

    118.00  +1万ドル +1万5千円+(未実現益1万5千円=(118.00−116.50)×1万ドル)=3万円

    118.50  +2万ドル +1万5千円+(未実現益2万円=(118.50−116.50)×1万ドル)=3万5千円

    120.00  +2万ドル +1万5千円+(未実現益5万円=(120.00−116.50)×1万ドル+(120.00−118.50)×1万ドル)=6万5千円

次は、本当はやってはいけないといつも言っている両建て取引の例。
両建てをやっていけないという理由は、大体以下のようなケースが多いと思うからである。

3)上がると思って116.50で買う。思惑に反して114.00まで下がる。損切りをしなくてはいけない。でも、今でも120円に行くと信じている。
よし、損切りをしないで114.00でショートを作って、最初の116.50のロングは温存する。そして114.00のにわかショートはいい所で利喰って最初のドル・ロングに戻すんだ。
113.00にドルが下がった。うーん、にわかショートは儲かってるけど、根っこのロングはやられちゃったなあ。
113.00で何もせず、ずるずる戻ってしまって、結局また116円までドルが上がったが、最初のロングそしてにわかショートの両方やられてしまった。
そして最初の思惑通りに120円になった。
あーあ、最初の思惑のロングはうまく行ったが、両建てのショートで相当やられたな。どうして、自分の相場観と違うポジションを取ったのだろう?

これがやってはいけない、両建てである。
失敗した理由は、自分の相場観とは違うにわかポジションを取ってそれを早く処分しなかったからである。

     レート     ポジション  P/L

3)116.50  +2万ドル    0

   114.00  ネットで0 −5万円=2万ドル・ロングの未実現損(114.00−116.50)×2万ドル                                                     

   113.00  ネットで0 −5万円=2万ドル・ロングの未実現損(113−116.50)×2万ドル+2万ドル・ショートの未実現益(114.00−113.00)×2万ドル

   116.00  ネットで0 −5万円=2万ドル・ロング未実現損(116.00−116.50)×2万ドル+2万ドル・ショートの未実現損(114.00−116.00)×2万ドル

   120.00  ネットで0 −5万円=2万ドル・ロングの未実現益(120.00−116.50)×2万ドル+2万ドル・ショートの未実現損(114.00−120.00)×2万ドル

これをやってはいけません!と言っているのです。

以下は、上級者には“まあ気を付けてやって下さいね。”と反対はしないで、しぶしぶお勧めする両建て取引の例。
この前提は、ドル・ブルで120円に行くと信じているが、ヘッジ・ファンドの奴らが血迷ってドル売りに走り、ドルが急落した。でもこれはおかしい。いずれドルは戻るとの強い自信が有る。だから、にわかショートは絶対に短期で切る!という強い意志の元に次のような両建て取引を行う。

4)上がると思って116.50で買う。思惑に反して114.00まで下がる。損切りをしなくてはいけない。でも、今でも120円に行くと信じている。
よし、損切りをしないで114.00でショートを作って、最初の116.50のロングは温存する。
113.00にドルが下がった。うーん、にわかショートは儲かってるけど、根っこのロングはやられちゃったなあ。
よし、ここがDips.の最後だ。切れ!
113.00でにわかショートの買戻し。そしてドルはまたずるずる上がって116円まで上がり、結局120円まで行ってしまった。

     レート     ポジション  P/L

4)116.50  +2万ドル    0

   114.00  ネットで0  −5万円=2万ドル・ロングの未実現損(114.00−116.50)×2万ドル

   113.00  +2万ドル  −5万円=2万ドル・ロングの未実現損(113.00−116.50)×2万ドル+2万ドル・ショートの実現益(114.00−113.00)×2万ドル

   116.00  +2万ドル  +1万円=2万ドル・ロングの未実現損(116.00−116.50)×2万ドル+2万ドル・ショートの実現益(114.00−113.00)×2万ドル

   120.00  +2万ドル  +9万円=2万ドル・ロングの未実現益(120.00−116.50)×2万ドル+2万ドル・ショートの実現益(114.00−113.00)×2万ドル

さて、勝っている時に心掛けるべき点の結論。

1)総てを一辺に利喰わないで、利喰った後に相場が逆方向に行くのを少し待って自分の考えている方向にポジションを再構築する。

2)同じく一辺に利喰わないで、もし逆方向に行かなければ追い駆けてこれまたポジションを再構築する。

3)後ろ向きの両建てポジションは厳禁であるが、相場に対する自信と資金があれば大胆にやる。但し、自分の相場観に反するにわかポジションは、“絶対に早く切る!”こと。でないと、ロング・ショート共にやられる危険性がある。(3)の例。

まあ、これはあくまでも机上の議論。実際はこう巧くは行かないと思うが、幾つかの例として参考にして頂ければいいなと思う。

勝っている時の凄さ、大胆さ、冷静さ、の達人は塾長の友人で、現在シンガポール在住の“8割の男”こと、チャーリー・中山氏であった。
彼は、我々凡人が“そろそろ利喰おうかな。”と思う頃、またポジションを増やすのである。
上の例でいうと、118.50でなんかは利喰わない。“120円に行くと思っているのだから、118.50はまだ買い場でしょ!”という感じである。
もし、10までポジションが取れるのなら(レバレッジのことを言っているのではない。)、116.50で+3、118.00で2買って+5、119.00でさらに3買って+8、という具合であろうか?

これが本当のプロ中のプロのディーラーのやり方である。
普通は120円に行くと強く信じていても、119.00まで耐えてロングでいるケースは稀有である。
逆に行った時は、112円まで耐えてというか、我慢してしまいますけどね。

さあ、すっかり長くなってしまった。
ご意見、ご批判、大歓迎!


                             こんなに天気がいいのに珍しく家に籠もっている塾長。
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