月曜コラム「週刊 独り言」

終わり良ければ、総て良し!

2008年11月24日 16:48
酒匂隆雄
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自分では、“今年の大相場は既に終了した!”と高を括っていたが、いやいや、何のその。
相場は依然として、大荒れとまでは言わないが、結構Hectic.=(てんてこ舞い)に動いている。
先週の金曜日一日だけを取っても、ニューヨーク市場で株価が大幅安で引けた流れを受けて、東京市場の為替相場も大幅な円高で始まったが、その後東京株式市場が持ち直し、またニューヨーク市場でも株価の上伸を受けて、円が再び売られることとなった。
歳を取ると物忘れがひどく、つい数日前に起きた事も忘れがちであるが、当日相場が相当動いたことは勿論よく覚えている。

皆さんは覚えていますか?
金曜日のたった一日だけで5通貨が対円でこんなに動いたのを??

通貨 安値  高値 値幅  変動率
USD  93.64  95.96  2.32  2.5%
EUR  116.43 120.77  4.34  3.7%
GBP  137.89 143.17  5.28  3.8%
AUD   56.90  60.70  3.80  6.7%
NZD   48.76  51.51  2.75  5.6%

東京市場が休日の月曜日も、ほぼその他通貨の高値圏に近いところで取り引きされているが、金曜日の朝は、“あれ、大相場はまだ終わっていないのか?再び、大円高に振れるのか?”とギョッとした。

実は、塾長は現在、No position.=(ポジションを持っていない。)である。
理由は、幾つかあるが、
−10月24日から27日に掛けての大円高が、もしかして今年の円高のピークで、今年の大相場は既に終わったのかも知れないと感じている。
 自分自身では、相当な“目標達成感”があり、I am done for the year.=(もう今年は終わり!)
−永年の経験から言って、年末の相場は普段以上に理不尽な動きをする。
 大きな利益チャンスもあろうが、同時に大きく損失を蒙るリスクもある。
 今年は、何せ“50年か100年に一度”有るか無いかの緊迫した金融マーケットである。
   自分の腕では、そんな理不尽で緊迫したマーケットに向かっていって、勝利を上げるなどの自信は無い。
では止めておこう。

で、止めたのであるが、持ち前の好奇心が目覚めた。
今の相場はよう分からん! だから、止めた! 
さて、このような相場展開の時に、テクニカル分析(チャート分析)をしている人は、相場をどう読んでいるのだろうか、と疑問を感じたのである。

そこで“日々のブログ”に疑問を投げ掛けたら、随分沢山の建設的なご意見を頂いた。
有難う御座いました。

そのご意見の多くはTheoretically.=(理論的)に理解は出来なくはないが、Practically.=(実務的)には、依然としてよく分からない。
そりゃあ、そうだ。テクニカル分析の手法を知らないで、実務が分かる訳が無い。

塾長は、“チャートは見ない。”ことで有名であるが、別にチャートが嫌いな訳ではない。
こんなことを言うとお叱りを受けるかも知れないが、塾長にとってチャートとは、過去の相場の動きを分析して、将来相場がどう動くかを占うものであり、その過去の相場を打ち消すような突発的な出来事には無力だと思っている。
その代表的なものが、金融当局による為替介入。
そして、地政学的リスク。
悲惨な9.11事件が突然起きたり、どっかからミサイルが飛んで来るなんてことは、チャートは教えてくれない。
もう時効だから喋ってもいいと思うが、塾長は現役時代に我が国金融当局の為替介入を相当お手伝いした。
彼らが為替介入をする時は、チャートも何も無い。
彼らが想定する、“あるべき相場”から逸脱しようとする時、或いは逸脱した時に、暴力的に通貨を売買して、その“あるべき相場”に戻そうとする。
ある時は、極めて小額の介入で功を奏し、ある時は35兆円もの巨額の資金を使っても、全く効果が無い時もある。(尤も、それは短期的な現象であって、中・長期的には彼らの意図する方向に行くケースが多い=去年までの円安。ところが、時間が経つと再び彼らが意図する方向と逆に行くケースもまま有る。=去年から現在までの円高。)

昔は金融当局が介入を意図としているかどうかは、大体タイミングもレベルも分かった積りである。
さあ、そうなったら先程も言ったように、チャートもへったくれ(失礼!)も無い。
だから、個人的にチャートは重要視しなかった。

ブログに頂いたご意見にもあったが、結局は自分で信ずる手法で相場を分析してポジションを取り、結果として利益を上げることが出来るのならば、それでいいのではなかろうか?

−ファンダメンタルズ分析だけでは、勝てない。 だから、学者さんや有名なアナリスト、エコノミストに大相場師はいない。 そもそも、彼らはポジションを持たない。だから、好きなことが言える。 それで結構。

−チャート分析は非常に有効な相場分析のTool.=(手段)だと認めるが、上でも言ったように、突発的な事には無力である。 後から見ると、“絵に書いたような”綺麗な相場展開を見ることが出来るが、*更に上がるのか? *ここで止まるのか? *ここで反転して、下落基調になるのか? は、その時点では中々教えてはくれない。

−塾長の得意な、ドタ勘はどうだ? (ドタ勘、という熟語は有りませんなあ。 ディーラー同士ではよく使った記憶があるのだが、まあ、“いい加減な勘”くらいに考えて頂ければ結構。)
この、“勘”という言葉ほど“いい加減な物”は無い。
“どうしてそう思うんですか?” “いや、只の勘です。”
理論的に説明が出来なくても、“勘です。”で、何となく済んでしまう。 
只、言い訳をするとこの、ドタ勘=いい加減な物も、まるっきり根拠の無いものでもないのだ。
*市場のセンチメント。
市場はロングか、それともショートか?=市場の需給関係。   
誰が買いたがって、誰が売りたがっているか?=市場の次のIntention.=(意図するところ。)は何か?
大口顧客(輸出・輸入業者、機関投資家、個人投資家、ヘッジ・ファンド、etc. 誰でもいい。)は何をしたがっているか?=(これは市場の需給とIntention.を探れば分かる。)
そして、お前自身のポジションはどうなんだ?=(勝手な、ポジション・トークはしてないだろうな?)
を熟考する。

だから、このドタ勘も、満更いい加減そのものではないのである。
何を隠そう、塾長が毎日ふらり、ふらししているように見えようが、これらのセンチメントを探り回っていると言っても嘘ではないかも知れない。(ん? 遊び回っている、只の言い訳? ウチのヤツと同じ事を言わないで下さいよ。)

それで結論であるが、
上で述べた総てを上手く使いこなせばいいではないか?

ファンダメンタルズ分析に耳を傾け、チャート分析で方向を確かめ、そしてドタ勘の戯言も聞いてやる。

そして、終わって利益が上がっていれば、それでいいのである。


何だか、上手い具合にまとめてしまった塾長。
 



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