インサイダー取引。
- 2012年1月16日(月)10:04
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最近、あるお役所のお偉いさんによる株のインサイダー取引が話題になった。
事実に関しては全く知らないので、余計な事は言いたくはないが、立場上“李下に冠を正さず。”=(李=すももの木の下で、冠をかぶり直すと、手を伸ばして李=すももを盗んでいるかと思われるので、冠を直さない。)、言い換えれば、他人から疑われるようなことは、初めからしないほうが良いことのたとえであるが、全くその通りだと思う。
この取引による利益が数百万円だと言うが、余りにもみみっちい。
検察に逮捕され、職を失う価値は無かろう。
同じ頃、スイス国立銀行=(SNB)総裁夫人が、FX.取引でインサイダー取引を行ったとして、総裁が責任を取って辞任した。
SNBは、昨年9月にスイス・フランを対ユーロで1.20より安い水準に誘導する為に無制限の介入を行うと発表して、スイス・フランは急落したが、総裁夫人は発表前に個人資金でスイス・フランを売り、後で買い戻してこれも数百万円の利益を上げたらしいのだが、こちらもみみっちいなあ。
インサイダーとは、“投資判断に影響を及ぼすような、会社の未公開の情報を、ある一定の立場ゆえに知るに至った者が、その情報に基づいて、その情報を知り得ない者と、その会社の発行する株式等の証券の取引を行なうこと。”であり、まあ要するに立場上有利な情報を得た者が、それを悪用して株を安く買って高く売り抜けるか、或いは高く売って安く買い戻すと言う違法行為を行う事である。
為替取引については、インサイダー規制は無い。
SNB総裁夫人も、法律的に罰されることは無い。
何故、為替取引については、インサイダー規制は無いのだろうか?
恐らく、立場上知り得た“とっておきの”情報が、為替取引を行うにあたって必ずしも利益を上げる事が出来るかどうかを証明出来ないからだろう。
今回だって、自国通貨安を狙って巨額の介入を行っている何処かの金融当局と違ってSNBはまんまとスイス・フラン安誘導に成功したが、今までに何度が煮え湯を飲まされて(スイス・フラン売り介入が失敗して)、大きな為替差損を被っている。
今回だって、総裁夫人が儲ける事が出来るかどうかは、発表前には確証は無かったかも知れない。
為替取引に於いてのインサイダーとは、多くの場合介入を知っているかどうか、或いは介入を実際にやったかどうか、などを意味するのであろうが、個人的な意見としてこれはインサイダー情報とは思わない。
塾長も現役時代は相当介入のお手伝いをした自負があるが、介入をお手伝いすることによって大儲けをした記憶は無い。
介入と言えば、1985年のプラザ合意の時の介入を直ぐに思い浮かべるが、何を隠そう介入当日はおおやられした。
当時のドル・円相場は確か240円くらいだった思うが(何せ、27年前のことであるから、具体的な相場は覚えていない。)、当日ドルを売っても売っても下がらず、シドニーの友人から、“お前、何でドルを売ってんだ?”と言われて、“ドル売り介入をやってんだよ。ドルは下がるぞ!”と言ったら、“へーえ。”と言われて、20本(2千万ドル)その場で買われた。
その頃は、“協調介入”やら、“G5”やらは無かった。
“何?中央銀行がドルを売るんなら、買ってやるか?”などと馬鹿にしていた。
もっとも、翌日にドル・円は1日で20円も下がったが……。
その後も何回となく、いや何十回となく介入のお手伝いをしたが、(内緒の話だが)手間だけ掛かって、介入のお手伝いは余り儲からないのだ。
勿論時と場合によって違うが、例えば円売り介入をした途端にドカンと円安になるとは限らないし、逆に円買い介入をした途端にドカンと円高になるとは限らない。
これを見ても、為替取引にはインサイダー取引は無いと言ってもいいとお分かり頂けるであろう。
ちょっと話が逸れるが、塾長は個々の経済データに一喜一憂してドタバタと取引する事には反対である。
多くの皆さんが、月初恒例の米国雇用統計の数字の結果の発表を目を皿の様にして待っていて、発表と同時に“スワ!”と飛び付くが、どうも感心出来ない。
いい例が、今月6日の発表の後の値動きである。
失業率が市場の予想値の8.6%よりも1ポイントいい8.5%に好転し、非農業部門雇用者数も市場の予想値の+15.5万人よりも随分いい+20万人となり、ドル・円相場はすかさず発表時の77.10から77.30まで上昇したが、たったの5分間しか持たずに、直ぐに発表以前よりも低い77.05まで下落した。
びっくりした人も多かったことであろう。
これが相場。
出た数字を見ると、どう考えてもドル・円相場が上がっても不思議ではないと思うが、市場がそれを見越してロングにしていたのなら、相場は上がらない。
週末を控えて、ポジションを軽くしようと考える人が多いのなら、相場は上がらない。
数字の発表を見て、市場がどの様に反応したのかを見てから行動しても遅くはなかろう?
いい数字なのに、何故ドルは上がらないのだろう?と週末一生懸命考えて、月曜日から行動しても遅くはなかろう?
塾長の話はどうもお説教になってしまって申し訳ないが、まあ今日言いたかった事は、一言で言えば、
-FXに王道は無い。
-FXにズルは無い。
であろう。
あれ、二言になったか?
相変わらず空気が乾燥していて、鼻や喉がいがらっぽい塾長。














