皆さんの中で、何人かは“東京外為市場25時”という小説をお読みになったことであろう。
これは、現在シンガポール在住で、塾長が最も尊敬する為替ディーラーの一人である、チャーリー・中山氏をモデルにした小説で、この元となる小説は“8割の男”として、1988年に発刊された。
“8割の男”とは、主人公が為替をやるに当って、勝率が8割であるということで、この率は奇跡に等しい。
普通我々は、勝率は五分五分か、或いは四分六分で(勿論、勝つ方が六分)勝つ時の中身を濃くし、損する時の中身を薄くするように務める。
言い換えれば、“損切りはなるべく早くして、損失の量を少なく止め、利喰いはなるべく我慢して、利益の量を増やす。”ように務めるということである。
皆さんは如何ですか?
率は兎も角、損切りが何時も遅れてしまい、気が付いたら大きな損失を蒙り、しかもレバレッジが大きくなっている。
逆に、ちょっと利が乗ると喜んで直ぐに切ってしまい、自分が考えていた相場観と合った動きをしても、気が付いたらポジションが殆ど無い(当然レバレッジは低い。)ということがありませんか?
プロとアマの違いは、プロも損をするが、ある一定期間が過ぎれば、必ずきちんと利益を上げている。
アマチュアの人は、ある期間、利益をそこそこ上げていても、終わってみればプラスになっていない。
そうではありませんか?
プロは損の仕方が上手で、アマチュアは損の仕方が上手ではないのである。
さて、この小説であるが、チャーリー・中山氏が主人公の北原一輝のモデルである。
一輝が大変女性にもてることと、小説の結末以外は、殆どノン・フィクションと言ってもいい。(中山さん、ご免なさい。)
特に登場人物の描写は完璧で、勿論総て仮名であるが、“ああ、これはあの人。あれはこの人。”と直ぐに分かるように当時の東京外為市場の主だったプレーヤーが登場する。
この小説を読むと、“為替ディーラーの孤独さ。非情さ。人間臭さ。”がよく理解出来るし、凄いディーラーは、“命を張ってやっているんだ。”ということも分かる。
さっきネットで調べたら、“改訂版 東京外為市場25時 伝説のディーラー ”という名前で、新刊として発売されている。
為替にご興味がある方には、是非ご一読をお薦めする。
では、プロの為替のディーラーは、この小説の主人公の様に本当に時には非情に、そして時には冷徹でいるものか?
Yes, and no.=(そうかも知れないし、そうでないかも知れない。)
何かをやろうと決めて、行動を起こし(通貨の売買をする。)、その結果がどう出るかは、市場の動きに委ねるしかない。
誰も助けてはくれない。
総て、自己責任。
上手く行けば、ボーナスを沢山貰って、どんどん偉くなるが、下手をすると直ぐにクビになる。
そういった意味では、大変孤独な商売であることは間違いなかろう。
大変な稼業であるからこそ、為替ディーラーの結束は固い。
チャーリー・中山氏とも、日中はお互いの銀行の利益を上げる為に激しく戦ったものだが、仕事が終わるとよく行きつけのホテルのバーで一緒に飲んだ。
彼は、氷を一杯入れた濃い水割りが好きであった。
塾長は、今でも1985年のプラザ合意の時の、日本銀行の為替課長、邦銀の課長、お世話になったブローカーの社長などの総勢9名を交えて、二月に一度会う会に出席する。
この会は、かれこれ通算120回にも達せんとする、非常に長命な会である。
リタイアしているのは塾長を含めて2名だけで、後は銀行の会長、社長、証券会社の社長など要職に就いておられる方々が多い。
そう言えば、来週その会があり、塾長が幹事役である。
会って何を話すかというと、それは昔取った杵柄、やはり為替相場や金利の話、そして政治や経済の全般の話をする。
実は、この会では塾長が下から2番目に若い。
でも、そんなことは全然関係無い。
一旦相場をやれば、老若男女(我々の会には、女性は居ないが。)、組織の違いなど、全く関係無い。
“勝ってナンボ。”の世界である。
会のメンバーは、皆さん大変社会的な地位の高い方々が多いが、誰も威張らない。 誰も嘘を付かない。
皆さん、実に清々しいですよ。
実は、これは大事なことだと思う。
“勝ってナンボ”ではあるが、“勝つためにアンフェアーなこと”をしてはいけない。
かつて、一世を風靡した組織、そしてディーラーも幾つも、そして何人も居たが、“理不尽でアンフェアーなこと”をした連中は、例外無く放逐、そして駆逐された。
一度は、“ズル”が出来ても、二度は許さない。
誰も相手にしなくなる。
我々の結束は固いのである。
皆さんは、プロの為替ディーラーではない。
余裕資金を、FXを通して、なるべく効率よく、そして安全に運用したいとお考えの筈である。
であれば、毎度言う様に、
-自分の投資目的をはっきりさせる。
-プロではないのだから、無理をしてがむしゃらに儲けようとする必要は無い。
-他人がやっていることや、懐具合なんか気にしない。
どうですか、皆さん、少しは気が楽になりましたか?
これからも、楽しみながら、FXをやって参りましょうよ。
アメリカの金融規制法が心配な塾長。
コメント一覧コメント13件
早速、本を注文しました。
いつも、情報ありがとうございます。
これからも、楽しみながら、FXをやっていきたいと思います。
投稿者:kiyonee|2010年1月25日 11:13
こんにちは、塾長。
本文拝借いたしました。
1/15発売したDVD映画ハゲタカを夢中で視聴して、
為替や株等にまつわるのは相当厳しく仕切られている!
と実感できました。
話題は為替に戻しますが..
FXという用語が出回っていない時にやっていたのが「MMF」というものでした。
今のFXとは全く違うのでしょうか?
(違うと思う気が)
何か似ている気がして..
只、単位の呼び方が米国でドルではなく「米ドル」
と読んでいた記憶があります。
お手数お掛け致します。
投稿者:のも|2010年1月25日 12:39
斉藤様・・・
間違えました(笑)塾長!
私は見ました。『東京外為25時』。
もう何回見たでしょうか・・・
あれをみるとものすごくあこがれますよね。
塾長の、例え誰であっても、年下であっても
相手を立てることのできる懐の深さ・・・・
感服です。
私は色んな方のブログを拝見するのですが、
勝率八割、すごいことです。
しかし、川口さんもなんかデイトレでは8割と
言われていました。
雑誌に出ている個人投資家も8割・・・
なんかみなさん8割を意識しているのか、
すごいですよね。
ちなみに私は勝率は五分五分、相場つきによっては下手すると
勝ちが3、負けが7のときもありますが、
トータルでは残っています。
塾長のいつも口をすっぱくして言われてる
"損切り"、もしくは両建て・・・
これをやって
エントリーポイントさえ間違えなければ
3割でも利益は残るのです。
なのに8割なんてどんだけ稼いでるんだ!
と思ってしまう今日この頃・・・です。
塾長の月曜の朝の"あれ"をみると
いつもながら元気がでます。
今日は早朝から出かけていたので、
ちょっぴりみるのが遅くなってしまった
私・・・
投稿者:水姫|2010年1月25日 21:54
間違えました。
勝率3割自体エントリーポイントを
間違えてるとのご指摘を受けそうなので
訂正します(笑)
エントリーポイントじゃなく
Exitのタイミングです。
投稿者:水姫|2010年1月25日 23:02
酒匂塾長様 いつもありがとうございます。あるビジネス書に、パレートの法則(所得や富の不平等・偏在は、時代や地域を問わず統計的に一定である)を参考にした”2と8の法則”なるものがありました。富裕層上位2割が、富の8割を占める。売れ筋上位2割の商品が、売上全体の8割を占める、といった具合です。また組織でも成績上位の社員2割が、利益全体の8割を稼ぎ出す、ということです。塾長率いるディーリング部門もそれぐらいでしたか?。では、さらに利益を増やすには当然社員を全員チャーリー氏(レベル)にすればいいのでは?と考えますが、最初はみな優秀なチャーリー氏でも、時間の経過と共に、平凡なチャーリー氏や落ち毀れのチャーリー氏ができてしまい、利益は変わらないそうです。では下位の底上げか?これはやるだけ無駄だそうです。一番効率が良いのは、中間層のレベルアップだそうです。塾長は支店長として、部下の教育に何か信条のようなものはありましたか?よかったらお聞かせ下さい。本面白そうですね、早速読んでみます。
投稿者:小樽市銭函|2010年1月25日 23:22
kiyoneeさん、
そうですか、やはり違う名前で売り出されていましたか?
面白くて、一気に読めると思います。
のもさん、
*FXという用語が出回っていない時にやっていたのが「MMF」というものでした。
今のFXとは全く違うのでしょうか?*
MMFは、Money Market Fund. の略で、投資信託の一種です。
恐らく外貨建てMMF.のことを仰っていると思いますが、FXとは全く違う代物です。
一言で言うと、MMF.は信託と言う商品で、FXは通貨の売買を行うことをいいます。
水姫さん、
あはは、仮名がばれましたね。
古武士ですって、古武士!
格好いいですね。
小樽市銭函さん、
塾長も8と言う数字が大好きです。
何せ、8月8日生まれですからね。
そして、FXをやっていれば、2は8の逆数。
10-8=2.ですよね。
90.20までは買う。89.80になったら、逆に売る。それには90.20の逆指値のストップの買いを入れる。
レンジでBuy low, and sell high.をやる時は、ラウンド・ナンバー(00とか50)にオーダーは置かないで、そのちょい上=20か、ちょい下=80に置くようにしたら成約率は増えますよ!
そうだ! 塾長は、昭和22年8月8日生まれでした。
やはり、8と2が好きなんですね。
* 塾長は支店長として、部下の教育に何か信条のようなものはありましたか?*
上でも言いましたが、
―仕事が終わったら、残業をしないでさっさと帰れ。
―嘘を付くな。
―兎に角、やってみろ! いざとなれば、俺が責任を取る。
―言いたいことがあれば、何でも言え。
などを言っていたでしょうか?
上の奴ら(グループの在日代表や、本店に居て、日本の事なんか何も知らない奴ら)には、文句ばかり言う、嫌なヤツだった思いますが、部下にとっては働き易かった上司であったと思います。
投稿者:塾長|2010年1月26日 13:02
酒匂塾長様 お返事ありがとうございます。塾長、奇遇ですが、うちの親父も昭和9年の8月8日です。無口で頑固な典型的な昭和一桁です。樺太生まれの戦争孤児で終戦直前、半死半生逃げ帰って来たようです。今でも口癖は、鬼畜米英ならぬ、”ロスケは卑怯者で生ずるい”笑です。と言いつつ、地元の銭湯では、寄港しているロシア人船員と、身振り手振り談笑しておりますが、言葉が通じないのをいい事に、”樺太も早く返せ”と言うそうです笑。塾長のようにアカデミックなところは全くありませんが、塾長とは何かご縁を感じます。これからも宜しくお願い致します。私事で長々と失礼致しました。
投稿者:小樽市銭函|2010年1月26日 18:23
こんにちは塾長。
文章拝見致しました!
ありがとうございます!
経済用語と通貨単位が頭の中でごちゃごちゃしていて。
皆様の意見を拝見していて、「この前質問していた事は、やはり違うでは?」と憶測していました。
取引している際は、お構いなくとなっている事に注意を払わないといけない。と痛感しました。
ホントに色々とありがとうございます!塾長!
では失礼致します。
投稿者:のも|2010年1月27日 12:43
小樽市銭函さん、
ははは、お父上の銭湯での仕草が目に浮かびます。いい方なんですね。
* 言葉が通じないのをいい事に、”樺太も早く返せ”と言うそうです*
これにも笑わせて頂きました。
同じ誕生によしみ、宜しくお伝え下さい。
のもさん、
大丈夫ですよ。
分からないことは聞けばいいんです。
分からないで悶々としているよりも、聞いてすっきりした方がどれだけ、健康的か!
Always at your service.=(何時でもどうぞ。)
投稿者:塾長|2010年1月28日 15:34
塾長、お久しぶりです。
ご紹介いただいた、この本、アマゾンでも楽天ブックスでも、既に品切れです。
一昨日チェックしたときは、まだあったと思うのですが。
この記事で注文した人が多かったのでしょうね。反響絶大ですね。
私は、アマゾンマーケットプレイスにあったので中もしました。入手できるといいのですが。(マーケットプレイスでは、3,000円以上になってますよ)
投稿者:lucifer406|2010年1月29日 15:35
lucifer406さん、
本当ですね。
つい、先日までは在庫がありましたよね。
数年前は、1冊600円でした。
出版元が気を利かせて、増刷すればいいですね。
投稿者:塾長|2010年1月31日 18:45
私は、娘に頼み、すぐに注文をしてもらったので、
定価1800円が520円で買うことが出来ました。
改めて酒匂さんの凄さがわかりました。
何度も読み直してみようと思います。
投稿者:kiyonee|2010年2月 1日 14:29
kiyoneeさん、
2時間もあれば、一気に読むことが出来ますので、お楽しみ下さい。
今晩は、やはり小説に出て来る方(今は、凄く偉い方です。)と、八丁堀・司で“浦霞・絞り立て”を愛でる会です。
雪がひどくならなければいいのですが……。
投稿者:塾長|2010年2月 1日 17:03
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