FXブログ 月曜コラム「週刊 独り言」

スワップ・ポイント。

先週、スワップ・ポイントの大きな変動に皆さん、お気付きになったと思う。
スワップ・ポイントとは、二つの通貨の金利差を1日当たり幾らになるかを換算したもので、普段は余り大きく変動するものではない。
外貨預金とFX(外為保証金取引)との大きな違いの一つは、外貨預金は期間が決まっていて満期に利息を受け取るものであり、中途解約をすると結構大きな違約金を取られるのに対して、FXは日々、1日分の利息を受け取ることが出来る。(円を売って、外貨を買った場合。)
所謂、満期の概念は無い。
FXの場合は、円安になって、“そろそろ利喰ってもいいな。”と思った時は、直ぐに解約して元本のCapital Gain.と金利差を頂けるし、円高になって損切りをしようと思ったら、すぱっと解約出来る。

そのスワップ・ポイントが先週大きく動いたのには、理由が二つあると思われる。
ちなみに、金融市場が落ち着いている場合は政策金利(一番期間の短い短期金利)の差に限りなく近付く筈で、理論上は下のようになろう。
(スポット・レートは先週金曜日のニューヨーク・クロージング。1万通貨当たり。)
   政策金利 スポット スワップ・ポイント        
日本  0.5%
米国  2.0%      107.35      44      
英国  5.0%      196.80     243
欧州 4.25%      155.50     181
豪州  7.0%       89.70     160
NZ   7.5%       74.00     142

ドル・円の場合の計算式は、107.35×(2-0.5)%÷365×10,000=44.となる。

これが先週、ドル・円(日本と米国)が、180に広がり、ポンド・円が25に縮まり、ユーロ・円が10に縮まり、豪ドルが65に縮まり、ニュージーランドドル・円が100まで縮まった。
スワップ・ポイントが広がった理由は金利差が広がり、縮まったのは金利差が縮小したからである。
基本的にはメカニズムは一緒なので、事の元凶である米国と日本の場合(ドル・円)の例で説明しよう。
1) リーマン、メリル、そしてAIGショックで短期金融市場が大混乱し、Day to day.(一日)のドル金利が10%まで上昇した局面があった。
 実は円金利も同時に高騰し、3.8%くらいまで上昇した局面があった。
 スワップ・ポイントの計算は簡単である。
 107.35×(10-3.8)%÷365×10,000=182.となる。
中央銀行の果敢な資金注入報道で、今日は80まで大幅に縮まったが、それでも理論値の44からは大きく乖離している。
これを逆算すると、106.50×(ドル金利-0.5)%÷365×10,000=80.となり、ドル金利を3.2%のベースとして計算していることになる。
これをよく考えると、あれだけのドルのFunding.=(調達)対策で中央銀行が結託しても、約1%のプレミアム(調達するために払わなければならない余計な金利)を払わないと、まだ資金が取れない銀行が多いということになる。

2) 実は、スワップ・ポイントが広がったもう一つの理由がある。
 ドルを調達するために、銀行がFXの先物インターバンク市場で、1~3ヶ月のスワップで、ドルの直物買い&先物売りを巨額に行った。
 金利差のArbitrage.=(裁定取引)など全く無視をして、闇雲にドルの“買って売り。”を行った。
 一時、1ヶ月のスワップが17ポイント(107.35×2%÷12ヶ月)の理論値にも拘らず、70ポイント以上にも広がった。
 ドルの調達が出来ない銀行にとっては“Rate Risk.”=(相場のリスク)ではなく、“Liquidity Risk.”=(ドルが手に入らないリスク。)なのだから、背に腹は変えられない。

さて、先々週は政府系住宅公社のファニーメイとフレディーマックの経営破たん懸念、そしてその救済策。
先週はリーマン・ブラザーズの破綻、メリル・リンチのBank of America.による買収劇、そしてAIG騒動と一連の救済策の発表で、市場は荒れに荒れたが、これで事が収まるとは到底思えない。

Who is next, and what comes next?=(次は誰で、それに対してどういう措置が行われるのか?)

日々のブログでも再三申し上げているが、今は大きくリスクを取る局面ではない。
何時、この混乱が落ち着くのかは全く分からないし、“何もしないと、利益チャンスが無い。”と嘆く方も多かろうが、“何もしないでいると、少なくともCapital Loss.=(元本の毀損)のリスクも無い。”ことを分かって頂きたい。

  昨日、並み居る強豪を打ち負かしてゴルフ・コンペで優勝してご機嫌の塾長。
 

2008年9月22日(月)13:44 コメント(7)
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コメント一覧コメント7件

塾長 こんにちは。
スワップポイント 解りやすく理解出来ました。
ありがとうございます。
また、コンペ優勝おめでとうございます!
(シャンクは完治したのですね?)

投稿者:HC17|2008年9月22日  14:29

以前、お返事頂けて感動しました!!!
ゴルフ優勝おめでとうございます。
FX同様、ゴルフも始めて今度2回目のコース行ってきます。後ろがつかえないように頑張ります。ちなみにドライバーで100%スライスしてしまうのは何故でしょう…。
また質問です。塾長の本を始めFX関連の入門書を読んで勉強中なのですがテクニカルについての解説はあるのにファンダメンタルと為替の動きの関連について書いてある入門書はないように思います。ど素人なもので「ECB?BOE?」から始まり「米国株や日経平均が為替に影響あるの?」「政策金利は景気が良いとあがるの?さがるの?」などなど。その辺りを入門するのにオススメの本などありませんか?なかったら、次の著作で特集して頂きたいなぁと。是非検討お願いします。

投稿者:TDS|2008年9月22日  15:01

スワップが正規にもどるか、
現状では スワップが(差の開きがない)ので変動で抜く相場になっているのでどう相場がうごくか の2つが鍵ですね~。

投稿者:じん|2008年9月22日  15:14

塾長様
ゴルフコンペ、優勝おめでとうございます。
パチパチパチ!

投稿者:ライオン丸の子|2008年9月22日  16:13

こんにちは。
読ませていただきました。
頻繁にレポートを書かれているせいか、酒匂さんの文章はとってもわかりやすいんです。
具体的な数字を入れてくださるからでしょうか。
ありがとうございました。

投稿者:conomy|2008年9月22日  16:38

塾長

解説をありがとうございます。
偶に聞く、無担保コール翌日物てやつですネ。
でも、それって誰が決めてるの?。現役時代なら塾長?
(笑)

投稿者:omizu|2008年9月22日  21:45

始めまして。世界金融の大混乱期の9月末日、FXトレーダーの仲間入りをしました。各国には、資金を調達するために金利を調節せざる得ない現実があり、そういった経済のしくみを始めて知りました。わかりやすい解説を今後も楽しみにしています。よろしくお願い致します。

投稿者:AKICHAN|2008年10月 6日  12:35

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