酒匂塾長の『独り言』日刊 外為どっとコムFXブログ

今週の言葉。=デルタ・ヘッジ。


今週の、“週刊・独り言”で、先週21日のドル・円の乱高下の一つとして、“ドル・プット・オプション”の話をし、その時に“デルタ・ヘッジ”について触れたら、“もう少し詳しく知りたい。”というご意見があったので、“もう少し”ご説明してみよう。

只、結局あの21日のドタバタは、もしかしたらオプションには余り関係無かったかも知れないと思うし、オプションに関しての説明は、書籍・インターネットなどに数多(あまた)あるので、ここで詳細を書くことは控えて、“独り言”=(ドルのプット・オプションの購入)で紹介した事例で考えてみたい。

オプションには、プレミアムを払って、ある期日(Expiry date.)にドルをある相場(ストライク・プライス)で買う権利を買うもの(ドル・コール・オプションを買う。)と、ある相場で売る権利を買うもの(ドル・プット・オプションを買う。)の二つがある。

今回のA銀行は、1月21日午前10時に、1ドル=90円でドルを売る権利を購入していた。
A銀行は支払ったプレミアムだけがコストであり、相場がFavor.(自分の思っている方向)に動くと、無限の利益の可能性がある。

反対にこのオプションを売ったB銀行は、プレミアムが手に入るが、相場がUnfavorable.(自分が思っている逆方向)に動くと、無限に損失を蒙る危険性がある。

そこでB銀行は、そのリスクを軽減、あるいは回避する為にヘッジを行わなければならない。

先ず、デルタの概念であるが、これは時間と相場の変化によって変動するオプション価格の変化額を表す。

例えば、B銀行がスポットが92円の時に、1ヶ月後の満期でストライク90円のドル・プットを売ったとすると、ストライク・プライスがOut of the Money.(オプションの購入者が権利を行使しない。)であるし、満期が随分先なのでデルタ・ヘッジを大きくする必要は無いことはお分かり頂けると思う。
さて、ドル・円相場が2週間後に90円に下落したとする。

さあ、大変。
上に戻せば、ヘッジを外さなければならないし、更に下げればA銀行が売る権利を行使することを留意して、フル・ヘッジをしなくてはならない。
そのまま下がってしまえば、フル・ヘッジのままにしておけばいいが、下がって再びストライクの90円を超えて上がったらどうするか?

実際、ドル・円相場は92円から90円を切って、88.40まで下落した。
そして、再び91.30まで戻した後、暫くは丁度ストライク・プライス近くの90円前後で推移した。

B銀行は大変だったでしょうね。

推測であるが、B銀行のデルタ・ヘッジの比率は(100%がフル・ヘッジ。)
-締結時の92円の時。=50%。
-90円の時。=限りなく100%に近いが、それより少ない。=ドルを大量に売った。
-89円の時。=限りなく100%に近いが、それより多い。=ドルをさらに売った。
-91.30の時。=これは分からない。50%以下に戻していたのであろうか?=ドルを大量に買い戻した。
-再び90円に落ちて落ち着いていた時。=限りなく100%に近い?=再び、ドルを大量に売った。

まあ、一言で言うと、B銀行は“下がれば売り、上がれば買う。”ことを余儀なくされた筈である。
だが、例の1月21日午前10時前は90円近辺で静かに推移しており、B銀行は“大量に、何かをしなくてはならない。”状況ではなかった筈である。


似たようなオプションが、まだある筈である。
オプションの買い手は、間違い無く“さらにドル・円は下がる。”ことを前提にして、わざわざプレミアムを払って、ドル・プットを買っている。


気を付けて見守っていきましょう。


 

コメント一覧

コメント6件

こういう解説が一番わかりやすい。すっきりして頭にすんなり入ってくる。昨晩、週刊独り言に書き込みをしたのですが当方の説明だとどうも教科書的になってしまう。また、専門馬鹿みたいにあれこれ気になりだして始末が悪い。A.T.M. O.T.M. I.T.M. の解説なんか書いても誰も読んでくれない。人に上手く説明が出来ないのはまだまだ理解不足。今回も塾長からたくさんのこと(オプションの知識&説明方法)が勉強でき満足満足。今週はアカデミック(オプションの勉強会)で木曜日、金曜日上京します。 

投稿者:smile|2009年1月27日  14:43

色々な取引があるのですね。

僕のような初心者には相場が読めないわけです。

先週は豪ドル円も下落しもっと低い値段でロングポジシ

ョンとれたのに!と悔しい思いをしました。

って言うか、僕は米ドルが下がっていくともしかしたら

クロス円は上がるかもしれないと思って59円でロングポ

ジションをとったのに、まったくそうはならず

むしろ59円豪ドル円ロングはリスクが高くなってきまし

た。

近いうちに一度利喰いしてもう少し底値を狙ってみよう

かな?と悩んでます。

豪ドル円が40円をきることになったら40枚とんじゃいま

す。ポジションをへらそうかな?

う~~ん。助けてください!!笑

投稿者:チェリー|2009年1月27日  15:30

チェリーさん、
豪ドルは、56~61円のレンジ・トレーディングの感じですね。
どう考えても、40円切れは無いでしょう!

ただ、ドル・円にBearish.でいるため、短期的にはもう一段の下げがあるのかなとは思っています。

投稿者:塾長|2009年1月27日  15:41

smileさん、
* (オプションの勉強会)で木曜日、金曜日上京します。* 
凄いですねえ!

こちらは、金曜日から雨が降るそうです。

投稿者:塾長|2009年1月27日  15:50

ダブルノータッチとかいうのは昔から知っていましたが
オプションにはアメリカンタイプ と
ヨーロピアンタイプがあるそうで 面白いですね

実は私、21日(22日0:00)にオプションがあることは知らず
21日の23:50にたまたまブログを見てオプションの存在を知り
ロイターニュースを見て 詳細が分かり
その後余裕を持って対応しました

このブログにオプションの事を書いてくださった方々感謝します

投稿者:RT2|2009年1月27日  16:45

RT2さん、良かったです。

投稿者:塾長|2009年1月27日  16:53

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