野村雅道のID為替 (レポート) 外為どっとコムFXブログ

貿易特集

7/28「貿易特集」「正気の円安、狂気の円高」
2008年7月28日(月)—2008年7月30日(金)

総括 「正気の円安、狂気の円高」
需給「貿易黒字が激減した年は円安」
テクニカル「7月、8月」
当局&円無常「ドスーンから噴火へ」
ID為替「日本が貿易赤字を出す国」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「大桟橋近辺は戦前の貿易の中心」

 ドル円106.50-109.50、ユーロ円168-171

P1000011 P1000037 P1000052
     
 FX湘南IG(FSIG代表 野村雅道(事務所 田園、山下、伊豆稲取)専修大学、中京大学講師 日経インデックス(2005年=100)7月25日東京引け 前回 7月23日からの変化 円92.9強し、ドル87.2強し、ユーロ113.9弱し、7月25日ドルインデックス IN NYBOT72.807強し、CRB412.22弱し、CRUDEOIL123.26弱し、DOW11370弱し、日経平均ドルベース7月25日東京引け124.80、IMM円投機筋 7月22日 円10524(前週比-39581)ユーロ407(-18978) 
 
1、予定 

(今週の予定)

28(月)NZ貿易収支、独 GFK消費者信頼感指数
29(火)NZ 住宅建設許可、日 雇用統計、家計調査、小売売上、南アPPI、米 消費者信頼感指数
30(水)豪 住宅建設許可、日 鉱工業生産、南アCPI、米 ADP雇用者数、 
31(木)豪 小売売上、貿易収支、独 雇用統計、ユーロ圏 CPI、消費者信頼感指数、失業率、南ア貿易収支、米 2QGDP 失業保険、シカゴ購買部協会景気指数
1(金)独&ユーロ圏 製造業PMI 独 小売売上、米 雇用統計、ISM製造業指数、建設支出

(来週の予定)

4(月)日 マネタリーベース、ユーロ圏 PPI、米 個人所得支出、PCEデフレーター、製造業受注
5(火)RBA政策金利、ユーロ圏&独 サービス業PMI、米 ISM非製造業景況指数、FOMC
6(水)日 景気動向指数、独 製造業受注
7(木)NZ 2Q失業率、豪 雇用統計、日 機械受注、独 国際収支、BOE&ECB 政策金利、米 失業保険、中古住宅販売保留、
8(金)日 景気ウォッチャー指数

2、総括 「正気の円安、狂気の円高」

 円高メリット、円安メリットがよく論じられる。両者いるようだが、日本は貿易黒字を背景に対外純資産が200兆円ある。総論で言えば円高がデメリット、円安がメリットがあるのは間違いない。貿易黒字があるので円高になるのは仕方がないが、学者の方までが円高で原料の輸入コストが低下するから、企業が努力して製品の質を改善しリストラして企業体質を高めるというのは個別論であり、ごくたまに海外旅行に行く人が、ブランド物が安く買えるといって喜んでいるのに等しい。ブランド物を買う源泉の給与は円高不況で減少しているのである。

 さて今年前半では第二四半期はマイナス成長の予測もあった米国2QGDP(31日発表)は予想前期比年率+2.0%と1Qの+1.0%を上回るものとなっている。減税での可処分所得の増加とドル安で輸出が好調となったことによるものだ。米国GDPの翌日は雇用統計の発表もあるが米国指標で減速が明らかになっても日本、ユーロ圏、英国、オセアニアも同じように減速の指標が相次ぐので米国減速でドルを売り込んでも素早く手仕舞いたい。

 着々とサブプライム問題に米国は対応している。去年の対応はまだ利下げや資金供給など手探りのものであり効果も期待薄であったが、最近では個別に対応している。またUBSに対しては金融商品虚偽の説明で、BOAは住宅ローンの不適切慣行で、ベアスターンズ幹部も詐欺の疑いでそれぞれ訴追した。住宅ローン詐欺では400人を訴追している。またオランダ投資ファンドを原油相場操縦で起訴した。さらには株の空売り規制を全銘柄に広げようとしている。日本で最近破綻した長銀経営陣に無罪の判決が下ったことと比較するとやはり米国の対応は迅速であり問題の責任は誰かがとることとなる。

 ドル安も対ユーロではなかなか回復しないが、対円では上昇、原油高も6月大阪サミットや産油国サミットを経てかなり抑制されてきた。米国の対応の効果が出ているわけで、ドル買い介入の武器はなんとか使わずにすみ、いざとなったとき温存出来た。NY BOT(BOARD OF TRADE)のドルインデックスも3月は71を割ったが現在は72台後半となってドルも安定してきている。日経通貨インデックスでは3月からはドルやユーロはほぼ変わらないがドル円は3月の103から現在93と10ポイント下落している。パニックがなければ円安が進む。

 サブプライムでは米国GSE債券購入者に日本の投資家が含まれていることも明らかにされたのでこれ以上世界に広がるパニック的なものは想定できない。正気になれば円安ということだろう。

3.需給「貿易黒字が激減した年は円安」

 円安は最近始まったことではなく、2000年から始まっている。ドル円は世界の通貨の基調が2000年より「ドル安円安」なのでお互い引っ張り合ってあまり動かないが、ユーロは90円から160円、豪ドルは50円から100円、NZドル円は40円から80円と円安が続いてきた。それは日本の個人の外貨投資が2000年の10兆円台から50兆円台へと急増したことによる。もちろんその数字には含まれないがFXも貢献している。

 さらに今年の貿易黒字の大幅減少が円安(クロス円中心に)に影響している。今年は1-6月で2.7兆円の黒字であり、年間10兆円を超える黒字ペースの日本としては大きな減少だ。年間黒字が激減した年では96年に6.7兆円、2001年に6.5兆円があるが今年はそれを下回るかもしれない。96年と01年はいずれもドル円では年足で陽線(円安)となっている。(世界の通貨の基調がドル安円安というのは世界において米国の地位低下とユーロ圏の台頭、アジアにおける中国の台頭と日本の地位低下がもたらしているもの)

4、テクニカル「7月、8月」

 7月は昨年はドルが下落したが、今月は31日の米国2QGDPを残しているがかろうじて「7月はドル上げの確率が高い」に従って踏みとどまっている。さて8月は過去14年ではドル下げ9回、ドル上げ5回と確率では7月ほど高くないがドル下げが多い月だ。ただ過去10年ではドル上げ1回ドル下げ9回とと圧倒的にドル下げが多い。基礎需給としては外債の受取り利息の円買いや9月中間決算へ向けての海外拠点からの日本への送金の円買いがある。ただ月初からギャンブル的に売りと決めつけてやるのではなく、それをバックグラウンドに日々のチャートを見ていけば5日線が下向いたとか、一目均衡表の雲を下抜けたとか、ローソク足で長い上ひげが出たとか、上昇トレンドを下に切ったとか必ず絵(チャート)が指示してくれるのでそれを待てばいい。

5.当局&円無常「ドスーンから噴火へ」

 戦前は貿易赤字で円安、戦後は貿易黒字で円高というのが為替の基調である。途中で数十円の戻しもあるし、そう長いスパンで相場を持っていられないこと、ドル売りには金利コストがかかることで、実用にはあまり使えないが、他の国でも貿易黒字の国は通貨が強く、赤字の国は弱いことは確かだろう。6月は原油高と輸出が55ヶ月ぶりに減少した。戦後の日本の黒字トレンドに変調をきたすかどうかが今後の焦点である。この貿易黒字が私がよく使う「ドル円はコツコツドスーン型」(コツコツ上げてドスーンと下がる)のエネルギーであったが、赤字にでもなれば「コツコツ花火型か噴火型」にでも変えなければならない
 
6.ID為替「日本が貿易赤字を出す国」

 今回は貿易と為替にふれてきたので本項目も貿易で。
日本は戦後貿易黒字大国であた。ただ幾つかの国に対しては赤字となっている。対資源国中心であるがそうでもない国もある。資源輸入で赤字となっている国はマレーシア、イドネシア、ブラジル、チリ、南アフリカと中東だが、資源国以外では中国、フランス、イタリアなどに対して赤字だ。フランスは大統領や財務大臣が口うるさく円安批判するが貿易ではフランスが対日黒字を出しているのでとやかく言われる筋合いはない。

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」

北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、日本物格下げ、米国物格下げ、米軍イラク撤退、アジアでのテロ、イラク混迷、英国ポンドのユーロ入り、日本の総選挙、北京オリンピックボイコット、夢=ドルのユーロ加盟(円おいてきぼり)
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 内需拡大−規制緩和−市場開放−小政府−財政均衡−自己責任−公明正大   50—超円高−100—円高−150−普通円−200—円安−250−円安− 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8、横浜湘南便り「大桟橋近辺は戦前の貿易の中心」

 今回は貿易特集号となってしまったので、明治の貿易の中心であった横浜の港のことでもとりあげたい。現在横浜港は輸出7.8兆円、輸入3.9兆円で3.9兆円の黒字港だ。ベイブリッジを渡った大黒ふ頭には積み出しを待っている輸出用の大量の自動車が置かれている。名古屋港は横浜より大きい8兆円の黒字、その他の港は貿易赤字港が多い。

(①大桟橋からペリーさんが来航した方面を見る②生糸貿易で活躍した日本郵船会社③貿易為替を独占した横浜正金銀行=現在の東京三菱UFJ銀行)

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