FXブログ 野村雅道のID為替研究所 (Day)

2008年10月 2日アーカイブ


危機だが有事に 強いドル

 10月2日(木)「危機だが有事に 強いドル」

ちょっと難しいかもわかりませんが今日録画の外為アカデミーでももう一度説明いたします。

 まだこの時点で上院での金融安定化法案採決の結果は発表されていない。

 一般的にはサブプライム問題が深刻で未曾有の危機と言われおり、また株価は大きく下げている。ただ危機にある米国の通貨ドルはあまり下がっていない。ドル円も9月は下落したが3月からは5ヶ月連続ドル上げであった。年初からはドルスイスを除き、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、カナダにおいてはドルが強い為替相場から見ればドル危機ではない。いつもと同じような、いやいつもより対ドル相場は小動きだ

 基軸通貨であるドルは貿易ではもちろん赤字であり不安だが、一方世界中の融資に使われている。米国内だけでなく国際協調融資でも、米国が絡まない国同士の融資にも使われている。長期にドルを相手に貸して短期で調達して利ざやを稼ぐ。信用不安でドルの短期調達が難しくなっている。それでドル金利が上昇する。かつてのジャパンプレミアムの時代と同じ。ただプレミアムを払えば調達できればいいのだが、鼻から相手にされずどうしようもなくなっている銀行もあるので中銀がドル資金を供給している。

 またドルを貸してもらえない人は、こんな行動に出たりする。為替のスワップを行ったり、いっそのこと為替のスポットでドルを買う。そうすれば勘定を赤算にしなくて済む。危機と言われているのにドルが上がる、ユーロが下がる、ドル円も意外と底堅くなる。為替取引の信用リスクはマネーに比べれば小さい。マネーだと1千万ドル貸し倒れになるとすべて失い、自己資本が大きく減少し銀行が嫌うところだが、為替ではドルを買ってドルを受け取ると同時に相手に円を払うのでマネーの貸し倒れほど危険ではない。ドルを受け取る時間と円を払う時間の差のリスクだけは残る(参考ヘルシュタット事件)。

 またお客様である個人投資家にはスポットでもスワップでもユーロ円、豪ドル円、NZ円の相場を普通に提示しているが、最終的なカバーは殆ど分けて行われる。すなわちユーロ円ではユーロドルとドル円、豪ドルドルとドル円でカバーする。最近は日本はややサブプライム問題では落ち着いているのでドル円のスワップ市場もユーロドルドル市場より混乱は少ない。ユーロドルとドルが金利差が逆転してさらに貸し手不足で金利差が広がり、ドル円のスワップ益を上回りユーロ円のマイナススワップとなる。理論値ではユーロと金利差はユーロのほうが金利が高くスワップ益となるのだが、カバーをドル基軸で別々に行っているのでユーロ円のマイナススワップが生まれる。

 業者側の説明では「市場の混乱」とだけとなっているので少し加筆した。外為どっとコム社の画面で言えばドル円とユーロドルのスワップを掛け合わせたものがユーロ円のスワップとなる。ユーロと円の金利差は反映されない。

 数年前から海外の金利が逆イールドになっていること(短期金利が一番高く長期金利が低い)のが気になっていた。長期資金の需要減という説明をしてくれた方もういたが信用問題も含まれていたのだろう。
 

(写真=大桟橋、10万トンを超える船だと桟橋の端から端までいっぱいとなる、ただジャパンパッシングの時代で大型船は上海へ行ってしまう) P1000001ha1.JPG

2008年10月 2日(木)08:48 個別ページ コメント(1)

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