古都
<2月22日放送分>
以前、山深い小さな旅館の食堂で聞いたあのひと言が急に思い出された。
和服姿の品の良い女性を取り囲むかのように、夕飯後、宿泊客の数名が旅の談義に興じていた。学生で一人旅の僕は、新聞に目を落としながら箸を動かしてはいたが、字面を追うよりも彼らの話を聞いていた方が楽しかった。「どこの場所が一番良かったか」という話題になると、「京都」という単語が多く聞かれるようになった。すると、和服姿の女性がひと言呟いた。
「私の京都は冬に戻ってきます」
「それは、どういう意味ですか?」 と年配の男性が訊ねる。僕もその意味を知りたい。
自然と箸は止まり、耳だけが彼女の言葉を待っている。
「春から秋にかけて、京都には人がいっぱいあふれています。どこに行くのにも混んでいて、ゆっくりできません。ところが、京都の冬は寒いです。冬に入ると、人は減り、ようやく私の京都が戻ってくるのです。」
今、僕は京都にいる。しかも、あの人が言っていた冬の京都だ。吐く息は白いが、どこに行ってもゆっくりと見て回れる。これが冬の京都なのか。
「僕は冬の京都が好きです」 と今度、機会があれば言ってみよう。
さて、今週のテーマは「古都」です。
古都というと、京都や奈良を思い出しますが、古都保存法という法律で古都は定められています。8市、1町、1村です。鎌倉や逗子も古都になっています。今年は平城京に遷都して1300年になります。その行事等の経済効果として1564億円もあるそうです。平安京遷都1300年(2094年)の行事はちょっと見れそうにもないので、4月17日から始まる平城京遷都の催しモノは、見てこようと思います。
2010年3月10日(水)19:48
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