<2月8日放送分>
「おい、何を洋服のポケットに入れているんだ」 と久しぶりに会った友人は、僕の上着の膨らんだ箇所をじっと見つめながら話しかけてきた。
「いや、別に何でもないよ」 と、自慢したい気持ちもあるのだが恥ずかしい気持ちが先行した。自分でも、上着のポケットに入れると目立ってしまうかな、という気持ちはあったのだが、その時は自慢したい気持ちが先行していた。
「新しいモノ好きのお前のことだ。PHSか携帯電話でも買ったんじゃないのか」 と友人がズバリと聞いてくる。
「いいから、見せてみな」 と友人は自分の直感の正しさを証明するために、上着のポケットに手を伸ばしてきた。
「わかったよ。しょうがねえなぁ」 と彼の魔の手をサラリとかわしながら、僕は観念し
「携帯電話を買ったんだ」 と白状した。
「へえ、これが携帯電話というモノなんだ。これでいろんなところにいても電話が通じるんだ。すげえなぁ。世の中変わったねぇ」 彼は、携帯電話を手に取り、まじまじと眺めている。どうやら、携帯電話を直接見るのは初めてらしい。すると、彼は突然、大きな声を挙げた。探し物を見つけた時のしたり顔のような顔をして。
「おい、この美佳というのは誰だ?」 彼は、リダイヤル・キーを押して見つけたらしい。
「実は、新しい彼女なんだ。彼女も携帯電話を持っているんで、もう家の電話を使わなくてすむし便利なんだ」 とちょっと自慢な気持ちが強く出ているな、と感じながら新しい彼女と毎晩電話で話していることを白状した。
「うらやましいね、この~」 と彼が言った時だった。突然、携帯の電話が鳴った。
「もしもし、あっ、美佳。どうした」
「ん」
「エッ、どうして…」 僕はまるでスローモーションのように携帯電話を耳からゆっくりと離した。
「おい、どうしたんだ」 と彼は声をかけてきた。
「彼女が、今晩からもう電話をしてくるな、って」 と力なく答えた。
「携帯電話も便利だけど、酷なことをするな」 と彼はひと言いって、僕の肩に腕を回した。
今週のテーマは、「携帯電話」です。携帯電話の出現でいろいろなもの、いや、生活スタイルが変わりました。前述したように、昔は好きな女の子の家に電話するのにも、関所がいっぱいありました。でも、今では、その関所もなく、直接、相手につながります。
準レギュラーの植野さんは携帯電話が出現したことによるマイナス面の話を紹介してくれました。
今や携帯電話が無いと生活そのものが成り立たなくなっています。僕も仕事ができません。でも、どこかにちょっと白けた部分もあるのもまた事実です。
携帯電話は大きく社会を変えましたね。