2009年6月アーカイブ
6月22日放送分
ちょうど心地よい風が縁側から秋の気配とともに入ってきた。周りはマンションやアパートなどが建っており、お世辞にも日当たりが良いとは言えないが、小さな庭には土があり、季節ごとに衣替えをしていく草花がある。また、秋になるとその実をいっぱいに鎧のように身に纏う木々もある。そうした庭をすり抜け秋の香りを風が運んでくる。
「もう今年は止してくださいな」と食後に熱いお茶を運んできた祖母が声をかける。「それはわしが決めることではない」と読んでいた新聞からは目を離すことなくぶっきらぼうに祖父は答えた。「でも、もう歳なんですから、無茶は禁物です」といつになく食い下がる祖母。祖父は前年、心臓の手術を受け、無茶の出来ない体であることを気にしている。祖父は自分の体よりも、長年、たとえ小さくても自分の家の庭で自然とともに過ごしてきた生活そのものが自分の生命のリズムであると信じている。「どうしても、今年もやると言うのであれば、孫たちに手伝ってもらったどうなんです」と祖母は答えはわかっていても説得を試みる。祖父は無言のまま、縁側に移動し、趣味の彫刻が出来るようにと道具を広げ始めた。
大学の授業が休講になり、時間ができた僕は久しぶりに祖父の家を訪ねた。「よ~来たな」とどこからか祖父に似た声が聞こえてくる。あたりを見回してもその声の主は見当たらない。「ここだよ」と再び聞こえた声は明らかに自分の頭の上の方からだ。見上げると屋根に上って、今年もいっぱいにつけた柿を取っている祖父に姿があった。
今週のテーマはフルーツです。小さい頃、大好きだったフルーツはスイカ。口いっぱいにほおばっては、機関銃のように種を吐き出す。でも、年とともに、そして日本が豊かになるとともに食卓にあがるフルーツも変わってきました。パイナップルと言えば、缶詰のパイナップルしか食べたことがなかったのですが、本物のパイナップルを食べたときには結構硬いものなんだ、と驚きました。さて番組の中で、「現在一番好きなフルーツは?」と訊かれました。僕は「ラ・フランス」と答えた瞬間、まりなちゃんをはじめ、スタッフ一同大笑い!「何で???」まりなちゃんが「似合わない!」という言葉に一同大きく頷いています{怒り}。初めて食べた時の、触感、まろやかさ、甘さがたまらないのです。まりなちゃんの好きなフルーツは静岡の土肥で食べたビワだそうです。そうそう、番組の中でも紹介しましたが、白いイチゴが出来たらしいですよ。「初恋の香り」という名前だそうです。すごい!
6月1日放送分
「あったよ!ほら、あった!」と健二が叫んだ。
「本当だ!やっぱり、こっちの道でよかったんだね」内心はどうなることやらハラハラしていたのだが、目的地に辿り着けたことでさっきまでの緊張が一気に解き放たれた。
「しかし、あの目印がなくなっていたのが、そもそもの原因だよな」さっきまで、顔に『どうしよう』と大きく書かれているぐらい心配していた涼太も、目印がなくなっていたことに怒りをぶつける余裕をみせている。
今まではその「迷路」に迷うことは無かった。いくつかの目印があったからだ。ところが、今日に限って、その目印がなくなっていたのだ。普段、意識したことのない風景も目印ひとつなくなるだけで見えてくる風景も変わってしまう。僕らはまんまと道に迷ってしまったのだ。だが、そこで諦めていては目的地に着くことはできない。仲間三人で記憶を辿りながら、お互いの記憶を補完しあいながら、どうにかこうにか辿り着いた。この地下街は洞穴のようだ。
今日のテーマは「地下街」です。紹介した話は僕が実際に子供の頃、友達と行っていた東京駅は八重洲地下街の話です。当時、仲間と東京の本屋へよく行っていました。そのひとつが、八重洲地下街の本屋なのです。地下街は子供にとって冒険する洞穴に似て、楽しかったことを憶えています。まりなちゃんはこの話をきいて「映画のスタンド・バイ・ミーみたいですね」と言っていましたが、その通りだと思います。大都市には地下街があります。地下街が出来ることによって、人の流れが変わり、モノの流れも変わり、街が変わっていきます。今、札幌に大きな地下街が誕生しようとしています。
僕は、大人になっても冒険が好きで、梅田の地下街で1時間半迷子になったことがあります。
5月18日放送分
変わらぬ形で待っていてくれる。たまにしか会えないけれど、会うときまって学生時代を思い出してしまう。青春時代の数々の思い出の中で、いつも僕の脇にいた。伝わる暖かさは昔と同じだ。今日もその大きな口から、湯気が立ち上る。
僕の萩焼の湯呑みは高校時代から使っている。以来、家族の団欒や受験勉強をはじめ様々な場面で僕の脇にいた。
お茶はただ飲むだけのもではない。湯呑みを通して、器のぬくもり、香り、色などを確認する。五感を使った飲み物である。
今週のテーマは「お茶」である。お茶といっても、コーヒー、紅茶、日本茶といろいろあるのだが、まりなちゃんはコーヒー好きだそうだ。仕事でコーヒーの産地にも行ったことがあるとのこと。僕もコーヒーに凝った時期もあったが、今ではほとんど飲まない。むしろ、紅茶、ウーロン茶そして緑茶である。日本茶に関して言えば、「お~い お茶」の歴史は古く、1980年代からである。今では、日本で生産されている日本茶のペットボトルの種類は数え切れないほどだ。それだけ、お茶に対するこだわりが強いということであろう。
かく言う僕も、最近はぺっとボトルが多いが、時々、あの湯呑み会いたくなる。
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