FXブログ ニッポン放送ドットコムマネー塾

2008年6月アーカイブ


ゲスト:前川真悟氏

6月23日放送分

背中から回した手は振り落とされないようにしっかりと握り締められていた。昼間の賑わいがまるで蜃気楼のように、今ではひっそりと静まりかえった暗闇の中を私をおぶって走る母。
時々現われるお城の中に入れてもらえず、見たことの無い老婆に哀願しているところで目を覚めた。お城の夢を見るときは体調の良くない時だと経験則が教えてくれていた。熱を測ると案の定39度を越す高熱。母は近所の主治医にすぐに電話をし、私をおぶさり夜の静寂の中に飛び出していったのだ。
その時の母の背中は今でも鮮明に覚えている。あの小さな母の体のどこにこんなエネルギーがあるのだろうか。150センチ近い私の体をおぶって1キロ近くを走っていた。母は強い、そして優しい。
何年か前に野口英世記念館を訪れたことがある。そこには館内を回る私の足を立ち止まらせた1通の手紙がある。それは母から息子、野口英世に宛てた手紙である。野口英世は医者になった後、一時期、放蕩な暮らしをしていたのだが、その息子の目を覚まさせたのが母からの手紙だっただ。偉人の影に母あり、母の慈愛というものは言葉では言い尽くせない、広くそして深いものがある。
さて、今回のゲストは「かりゆし58」という沖縄のロックバンドのリーダー、前川真悟さんをお迎えして、いろいろなお話を伺った。
彼は高校卒業後に沖縄を離れることになった。彼の言葉を借りると「落ちるところまで落ちてしまった」という。でも、彼の心の中には、常に母親への思いがあった。沖縄に戻り、音楽で再起をかけ「アンマー」(お母さんという意味だ)というシングルを発売した。彼は、そのCDを直接母親に渡せず、机の上にそっと置くだけしかできなかった。それから、しばらくして、彼が母親の車を車検に出すために運転したところ、流れてきたのは。リピートがかかりエンドレスに演奏された「アンマー」だった。お母さん、ありがとう…

2008年6月30日(月)16:53 個別ページ

モノの値段

6月2日放送分

小さい頃は体が弱かった。今でこそメタボを気にしつつも風邪も引かない体となり心臓まで毛が生えてきているようだが、当時は怪我を含めてかかった病気の多いこと。そういう私の幼い頃の記憶には、必ず天井の模様が出てくる。それだけ布団の中にいた時間が長かったのであろう。水枕はもちろん、額の上には氷嚢が下っていた。そして「大丈夫か」と1日2回、親父の顔が目の前に現われる。
そんな私は6歳の時に1ヶ月以上入院をしたことがある。入院前後の容態は憶えていないのだが、入院する前からかなりの期間寝込んでいたことだけははっきりと記憶している。入院した病院は名古屋市の栄という繁華街に位置する病院である。そして、私がまだ小さかったということから、和室が二間ある広い病室が用意された。そこで家族4人が一ヶ月生活することになる。その年のクリスマスも病院で過ごす。サンタクロースへは「レーシングカーが欲しい」というお願いをしてあった。ただ、自宅ではなく入院している私の所にちゃんとプレゼントが届くかどうか不安であったのだが、ちゃんと届いたところが流石はサンタクロースと妙に感心したものだった。
退院することになった私は、退院祝いに「トランシーバー欲しい」と両親に頼んだ。なぜ欲しかったのかというと、他の病室に入院していた戦友がトランシーバーを持っており、部屋を行き来しなくても、寝床の中から話が出来たからである。
しかし、当時のトランシーバーは高かったと記憶している。デパートの電化製品の売り場に行って子供心にそんな印象が残っている。しかも、他の電化製品、テレビや洗濯機、冷蔵庫などいい値段をしていた。初めて値段というものを意識した時であった。
さて、今週のテーマはモノの値段である。いろいろなモノの値段を取り上げた。駅の自動改札機がおよそ1000万円、四つ角にあるミラーが18万円。パンダのレンタル料は年間1億2000万円…いろいろとある。自分の身の回りにある値段を調べてみるのも面白い。
ふとトランシーバーを見ると入院した頃を思い出してしまうのと同時にトランシーバーの向こうにいる過去と話が出来たらどんなに素敵な事だろうと思ってしまう。

2008年6月 9日(月)15:17 個別ページ

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