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親の仕送り

3月31日放送分

「僕に出来ることは、子どもたちが悔いの残らないように教育のチャンスを与えることだ」と言ったのは30年前の父の言葉だ。父は6人兄弟の長男、家も寺ということもあり、祖父から厳しく育てられた。祖父が父の勉強を見るときには手に角棒をもっており、答えを間違えると容赦なくイガグリ頭にその手が下りてきた。その光景は木魚を打つ姿に似ていたのかもしれない。そんな父は府立ニ中(現・都立上野高校)の出身である。そして、戦前、飛び級制度が出来た時に祖父からの「兄弟が多いので、1年でも早く大学へ行け」という言葉により、受験の準備もすることもなく1年早く大学受験をすることになった。さぞ、慌てたことであろう。大学に合格することはできたのだが、希望する学部に入ることはできなかった。しかも、翌年、1年間受験の準備をしてきたクラスメートが次々と希望する大学、学部に合格していった。そうした友の姿をさぞ複雑な気持ちで眺めていたのであろう。癒されない青春時代の悔しい気持ちからか、冒頭の言葉が私と弟に発せられたのだ。そんな父ももう80歳である。年老いた両親と昔住んでいた街を訪ねるのがこのところの親子三人の旅行になっている。その旅行の帰りに寄ったのが、3月31日のニッポン放送である。
しかも、今週のテーマは親の仕送りが減っている、という話題である。首都圏の私立大に昨年春に入学した「自宅外通学」学生への仕送りが月95900円で過去最低を記録したのである。4月から12月の仕送りを加えた「入学の年にかかる費用」は302万円!これでも減っているそうだ。
しかし、金額は減っているのかもしれないが、親は必死の思いで子どもたちに仕送りをしているはずだ。学生はもう一度、大学で学ぶ4年間をしっかりと考えるべきであろう。充実した4年間に出来るもできないも本人の気持ち次第である。
そんなことをしゃべりながらブースの外に目をやると、脛をかじられた父親が椅子にこしかけ私の方に視線を向けていた。

2008年4月 3日(木)10:22
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