FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」


豪ドル、試される「調整抵抗力」

外国為替市場ではこのところオーストラリア(豪)ドルの上値が切り下がっている。日本勢や欧米投機筋などの買い持ち高が膨張気味だった分、悪材料への抵抗力が衰えたようだ。
 豪ドル・米ドル相場は28日に一時1豪ドル=0.9520—30米ドル付近と、15日に付けた直近ピーク値で23年ぶりの豪ドル高水準である0.98米ドル台半ばよりも0.03米ドル程度売り込まれた。高値更新の反動が生じたところで23日、隣国ニュージーランド(NZ)の大手金融会社ハノーバー・ファイナンスの経営不振説が浮上。NZと関係の深い豪銀行セクターにも悪影響が及ぶとの懸念が広まった。
 さらに前週末、豪最大手銀ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が米住宅ローン関連証券の損失拡大に備えていると報じられたことも響いた。企業や政府の信用リスクが取引対象となるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では豪州セクターの保証料が一時、軒並み上昇。市場では「豪準備銀行(RBA、中央銀行)は想定以上の景気減速と政治サイドからの利下げ要求、物価高のはざ間で苦悩するかもしれない」(豪州系銀行の債券アナリスト)との意見もある。
 23日発表の4—6月期の豪消費者物価指数(CPI)伸び率は前期比1.5%と1—3月期の1.3%を超えた。
 一方、住宅問題は米国が震源地。豪州内の不安が米国でのそれを上回る事態は考えづらい。また2007年以降、RBAの金利面での施策などに後手に回った印象は薄い。今後の政策対応への期待感も保たれそうな雲行きだ。
 しかも豪州には資源産出国としての強みがある。世界経済や貴金属相場への見方が「総悲観論」に陥らない限りは景気の底割れ回避が可能とも受け取れる。
 NZでは既に24日、0.25%の利下げが決まり、09年にかけて3回程度の追加緩和を見込むムードが高まった半面で「豪州はせいぜい2回」との声が聞かれた。そうなると豪政策金利は6%台を維持する公算が大きく、28日時点で0.50%の日本や2.00%の米国との格差は開いたままだろう。日本からあふれた利回り重視型の資金などが結局、豪ドル建て資産に戻るとの予想は根強い。(今 晶)

2008年7月29日(火)12:50

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