FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」


各国外貨準備、「ドル優位」継続

 国際金融市場では「基軸通貨」としての米ドルの存在感が相変わらず高い。米実体経済と米証券市場の信認低下が進んだとはいえ、各国政府・中央銀行の外貨準備の運用比率見直しが緩やかなペースにとどまることなどからユーロの台頭に対して抵抗力を発揮している。
 国際通貨基金(IMF)が6月30日公表した各国外準の通貨構成データ(COFER)最新版によると、2008年3月末時点での外貨準備額(速報)はドル換算の合計で6兆8739億2000万ドル。07年12月末の改定値(6兆3964億ドル程度)よりも4000億ドル超増えた。通貨別割合では内訳が明らかになった分だけで算出するとドルが07年12月の約64.0%に対して63.0%に下がり、ユーロは26.4%から26.8%まで伸びた。勢いの面ではユーロの勝ちだ。
 一連の変化は為替動向を反映している。ユーロの対ドル相場は07年12月末の1ユーロ=1.45—47ドル台から08年3月末には1.57—58ドル台まで急伸。上昇率は8%程度で、ドルベースでのユーロ建て資産残高も自動的に膨らむ。新規にユーロを積み増したとは限らない。また、ユーロ比率の調整目的でドルを買い直したケースもあるはずだ。08年3月末のCOFERはユーロ・ドルが上り歩調だった割にはドルが健闘したことを示したともいえる。
 対ドルでのユーロ高傾向は4月以降も持続しているが、一方で米景気への過度の悲観論が緩和。中長期的なドルの先安観も3月中旬—4月中旬のピーク時に比べると後退した。ユーロ圏経済に先行き不透明感が広がってきたことも影響している。各国の外準マネーが今後、「ドル離れ」を加速するとも考えにくい。
 波乱要因とすれば中東産油国の動き。原油高などで資金膨張とインフレの圧力が強まる半面、米ドル連動型の通貨制度(ドル・ペッグ制)を導入している国が多いため、現段階では引き締め的施策には傾斜しづらい。米景気がどの程度持ち直すかにもよるが、親米国サウジアラビアなども含めて枠組み変更の可能性は残る。現実となれば投機的なドル売りの基点となりかねないほか、政府のドル保有の意欲も薄れるとの見方が出ている。(今 晶)

2008年7月 3日(木)18:15

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