FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」


2008年7月15日アーカイブ


豪ドル、リスクマネーの需要健在

外国為替市場ではオーストラリア(豪)ドルの人気が相変わらず高い。金利選好資金などの買い持ち高は相当積み上がったが、豪ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の優位性が意識される中では反動安への懸念も弱めだ。日本の「過剰流動性」や原油高などで投資家がリスク許容度を保った点も豪ドルにはプラス。米景気テーマの米ドル売りが起こるさいには代表的な受け皿通貨になっている。
 豪ドルの対米ドル相場は前週末11日の欧米市場で1豪ドル=0.97米ドル台に乗せ、1983年以来の高値水準を付けた。米財務省・米連邦準備理事会(FRB)が13日、政府系の住宅金融機関(GSE)の米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)と米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)2社への支援策を表明すると米ドルの買い戻しが広がったものの、結局、持ち高整理の域を出なかった。豪ドル・米ドルはその後の欧米市場で再び上値を試している。
 冷静に考えれば豪経済も物価高起点の失速と無縁ではない。豪準備銀行(RBA、中央銀行)が春先に提示したシナリオ通り、家計や企業部門の景況感悪化と実際の消費後退が進んでいる。一方、豪州の稼ぎ頭である貴金属の価格上昇の傾向も持続。輸出が景気を下支える構図も崩れてはいない。10日発表された6月の豪雇用統計で新規雇用者数は前月比で約3万人増えたほか、失業率は4.2%と5月よりも0.1%改善していた。 
 仮に原油などの値段が今後、各国経済の環境悪化に耐え切れず下落したとしても「相場調整に景気の刺激効果があることから豪不況やRBAの継続利下げまでは想定しづらい」(豪州系銀行のエコノミスト)との見方が可能だ。株安一服が中東マネーなどの勢い鈍化の緩衝材となるようなら絶対的な金利格差が物を言う。
 ある外国証券の顧客担当者は「ニュージーランドや英国、カナダといった高金利や資源産出国のライバルに失点が目立つ現在、2007年後半以降のような信用収縮が再現しない限りは豪ドル需要も衰えない」と話す。「これらの国との格差が縮まるのは09年に入ってからではないか」という。豪ドルが主要国通貨間での「首位争い」に絡む展開はしばらく続きそうだ。(今 晶)

2008年7月15日(火)15:18 個別ページ

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