FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」


2008年7月10日アーカイブ


円、波乱狙い「期間限定」の解釈

 外国為替市場では円やドル、ユーロの方向性が定まりづらい情勢となった。日米欧がそれぞれ景気や金利の面でマイナス材料を抱えているからだ。通貨オプション絡みでも長期投資家の気迷いムードが拡大。回転売買型の投機筋の動きに翻弄(ほんろう)される場面が目立つ。
 ヘッジファンドの中には最近、短期で波乱狙いのオプション取引に傾くところがある。例えば権利行使価格が同じで同一期間物の円・コール(買う権利)とプット(売る権利)を同額買い、設定水準とかい離すればするほど多額の収益を得られる「ロング・ストラドル」や、行使価格が異なる同一期間の円・コールとプットを同額購入する「ロング・ストラングル」などだ。直物でも仕掛け的な円買いを進めることが多いため、しばしば荒れ相場の予兆になる。
 8日のアジア夕刻の取引時間帯で、株安連動型の円買い・欧米、オセアニア通貨売り圧力が強まる前にもオプションの予想変動率は上昇傾向だった。
 半面、一連の行動はリスク許容度が保たれてこそ。長い目で見ればコストが安い円借り入れベースの高金利通貨運用(いわゆる円キャリー取引)が膨らみやすい環境といえる。「大相場」前提のオプション・直物戦略の増加は逆説的ながら、円の上値余地が縮まったことの傍証とも受け取れる。
 ある外国銀行の通貨ストラテジストは「エネルギー価格高は世界的な問題ゆえに今後、各国の景気に明確な差異は生じづらい」との見通しを示したうえで、為替については「経済基盤の優劣に着目するよりも利息収入の確保に徹したほうが勝率はいいかもしれない」と話していた。2007年半ばまでの「金利相場」時に近い理屈だ。
 市場には「欧米の高利回り商品は『実質金利』(名目金利からインフレ率を差し引いたもの)の観点では投資妙味が薄い」との声も出ている。ただ、実質金利は為替の価値に反映されるまで非居住者にはあまり関係がない。日本の早期の低金利脱却が遠のく中、英国やニュージーランドなど景気不安が相対的に濃い国の通貨も円に対してだけは先安観が高まらない様子だ。(今 晶)

2008年7月10日(木)12:03 個別ページ

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