FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」

LIBOR問題、「玉虫色」決着?

欧米の短期金融市場では指標金利のあり方を巡るゴタゴタが継続している。英銀行協会(BBA)が毎営業日公表するロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に実態とかけ離れたデータが紛れ込みやすいとの懸念は消えていない。
 5月29日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は過去のLIBORについて、欧米の大手銀数行が実勢よりも低い金利を示したことで数値がゆがめられた公算もあると伝えた。この「疑惑」は既に3月、国際決済銀行(BIS)がリポートをまとめて指摘しており、BBAが追放措置までちらつかせながら調査・是正に乗り出していただけに新味は乏しい。とはいえ具体的な行名報道のインパクトは小さくはないはずだ。
 ところがBBAは翌5月30日、LIBORの算出方法や提示銀行の変更を見送ることを表明したと報じられた。「監視強化で十分に対応可能」との判断からだという。市場では「強硬姿勢を貫いて混乱を助長するよりもシステム安定を重視したためではないか」(欧州系銀行の資金担当ディーラー)との声が聞かれた。
 底流には提示側の「言い値」に相当程度は頼らざるを得ないという短期市場に特有の事情が見え隠れする。参加者の財務基盤や信用力、格付けがそれぞれ異なることから資金を貸し借りするさいのコストは高安まちまち。第三者が指標として妥当な水準はどこかを見定めるのは極めて難しい。ある外銀エコノミストは「問題となった『低金利』も適正だと抗弁されれば反論や検証は困難だろう」と話す。
 一連の過少申告が例えば3—4月、米証券大手ベアー・スターンズの経営危機が判明した後の動揺収束を促したとすればマイナス面ばかりとも言い切れない。企業などでLIBOR基準でお金を借りたところなどにもメリットはあろう。半面、金融機関の過度の「強がり」には体力低下の危険がつきまとう。反動で過大な報告が相次ぐ恐れもある。今後の信用収縮の緩和度合いにもよるが、自主規制に依存しがちな現体制は結局、大幅な見直しを余儀なくされるかもしれない。(今 晶)

2008年6月 3日(火)12:43
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