FXブログ 今晶の「THE・為替記者!」

カナダ緩和政策、「安全運転」へ

 カナダでは金融緩和の姿勢が弱まりつつある。お隣米国の景気の先行きは依然、不透明だが、3月中旬までのような過度の不安は後退。カナダの実体経済や信用市場に悪影響をもたらすとの懸念も以前ほどではない。
 カナダ銀行(BOC、中央銀行)は22日、政策金利を0.50%引き下げて3.00%にすることを決定したと発表。エコノミストの予想通りの結果になった。声明では2008—09年のカナダ成長率見通しを1月時点よりも下方修正したほか、米景気減速が一層進むようなら追加利下げの公算があるとの見解を示したが、前回3月に用いた「近い将来」との表現は盛り込まなかった。
 BOCの緩和策開始は07年12月。4月までの金利の引き下げ幅は1.50%と米国の3.00%には及ばないものの十分に大きい。この間に米政府と連邦準備理事会(FRB)の政策対応も拡大した。カナダのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に対する従来の施策効果を見定める余裕も生まれやすい。
 23日発表の2月のカナダ小売売上高はさえない数値だったが3、4月の利下げ実施前のものだ。
 また原油高に歯止めがかからないにもかかわらず、中国やユーロ圏景気などが何とか持ちこたえていることも産油国カナダには追い風だ。価格上昇の恩恵をそのまま受けられるからだ。市場では「BOCは『公式見解』よりも早い段階での成長軌道への復帰シナリオを描いているのではないか」(米国系銀行)とのうがった見方も出ている。
 一方、原油輸出の「お得意先」が今後も好調を保てる保証はない。欧米住宅市場の混乱や信用収縮も早期収束は困難。さらにカナダ固有の構造問題である「東西格差」も埋まってはいない。東部の製造業が西の産油地域の足を引っ張る構図だ。金融当局も当面は警戒態勢を解くことはなさそうだ。
 ある国内証券の顧客担当者は「昨年秋、08年2月と株式市場などで広がった『米経済の最悪期は過ぎた』とのムードがぬか喜びだったことを忘れるべきではない」と警告する。米国と関係の深いカナダも同様というわけだ。長期スタンスの投資家のカナダドル買いは「抜き足差し足」の状態が続く。〔GI 今 晶〕

2008年4月24日(木)12:25
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