
バランスの問題。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービスが31日リリースした日本の政権交代に関するリポートで、民主党の施策が財政赤字の拡大につながりかねないと懸念するトーンは共通していました。国の信用格付けは主に財政収支の動向にリンクしている。民主党サイドは国の売り上げ(税収)が戻らぬ場合でも強引な積み増し(消費税率引き上げ)は避ける方針で、経費の削減や特別会計の余資活用で何とか他に回すカネをねん出したいとの考えですが、具体性が見えぬだけにご心配はごもっともか。
新政権が既得権益をうまくあぶり出すなどして各種の変革をもたらせば上々、されどお金については根っこの少子高齢化、社会保障費の増大といった論点でなかなかしんどい。雇用の問題も経済のパイが増えねばいかんともしがたい。政党によっては「法人マネーをもっと吸い上げろ」みたいな訴えも出てますけど、企業活動の活力がそがれれば人の採用と納税額のアップは見込めませんから、しわよせが政府に行って公共事業ドライブの元の木阿弥になりやしないか。しかも失敗したら財政のドツボが待っている――。
日本は対外黒字国なんで当分大丈夫だろう、などと達観してばかりもいられまい。
要はクルマのごとく動輪は通常、2つ以上は存在してて、バランスを崩すとうまく走れない。政党的にはキャッチーなワンフレーズのほうが耳あたりはよいし、他党との違いを出す目的で主張はどこか偏りがちなれども是々非々の調整は必要なんでしょう。
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私が1990年代半ばにかけ、ガタガタきたソ連邦や新生ロシアを眺めた際に感じたことはまず、貧富の格差是正にはトップダウンの余地が大きいという点すね。ロシア地域は民衆主導の政治システムの経験が短かったにもかかわらず民主化方向への変化が急激で、消化不良の期間が長かった。このへんはお上重視の日本が以前、構造改革や市場原理主義に傾いた後のドタバタにも通じる。一方、富める者が堕ちれば貧者はさらに窮地に追い込まれ、国は立ち行かない。ロ国は資源のカミカゼが吹いたとはいえ一時は金融危機で青息吐息となり、右傾化で波乱の芽が伸びた。わが国はどうか。
ともあれ、振り子の制御って本当に難しいもんですね(水野ハルオ氏風)。